9月13日
「同じ言葉を用いて相互の思想が疎通しえたなら、世界はいかに幸福であろう。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・人を助けるために眼科医になったザメンホフは、ポーランドの村内での対立原因が言語の問題だったことを発見し、エスペラント語(「希望の語」という意味)を考案した(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』272頁参照)。一時は世界共通語となるかとも言われたエスペラント語だが、そうはならなかった。人々が日常的に使用している言語ではなく、人工的な言語だからだろうか。それでも、新渡戸は、ザメンホフの「希望の語」の考案理由に共感している。例えば、現在の世界共通語である英語は、ある人の母国語であり、他の人にとっては外国語である。これでは、ある種、不公平が生じてしまう(実際、現代でも、国際機関で共通ルールを作成する場合、結局、言語的意味を英語を母国語とする人に確認しているらしい)。新渡戸やザメンホフが、世界皆が母国語とは別の共通語を学ぶことの公平性に、希望を見出していたとしても不思議ではない。
・国際交流は、相互理解も生むが、相互の誤解も招く。
・「隣人愛」というが、隣人ほど仲が悪いことが多いので、より隣人愛を語ることが必要。
・言語や国籍、民族、宗教等関係なく、同じ分野の専門家の間には共通言語、共通意識がああり、言葉が通じなくてもコミュニケーションできる(通訳する前に通じていることが多い)。
・人とのコミュニケーションは言語ばかりではない、ジェスチャー、表情、歌、絵、そして心である。
・音楽は、世界普遍の共通言語の1つである。
・沈黙も一つの言葉。「黙祷」(one
minute of silence)は世界共通。
・笑顔は人々を幸せにするコミュニケーション・ツール。
・「ありがとう」(Thank
you,Merci)は魔法の言葉。
「人とのコミュニケーションは言語ばかりではない、ジェスチャー、表情、歌、絵、そして心である。」その通りだと感じる今日この頃です。
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