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2020年9月26日土曜日

新渡戸稲造の至言から(9月26日)

 

926

「オーモニエという新聞記者が文明を説いて“文化開明と称するものは、個人が他人の障がいとならぬ範囲において、己の欲するところに従えども矩を超えぬことにして、国民が各自相互に共栄共存することなり”と論じた。」(新渡戸稲造『偉人群像』)

 

・新渡戸は、国民が互いに共存共栄している国として北欧諸国を挙げた。スウェーデンとフィンランドのオーランド諸島問題では、新渡戸も国際連盟事務次長として、その解決に一躍担った(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』285頁参照)。

 

・「己(心)の欲するところに従えども矩を超()えず」とは、孔子が、70歳にして到達する境地を語ったものである。文明人とは、そういう人生の経験を積んだ人達のことを指すのかもしれない。

(参考)

「子曰わく、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰()えず。」

(英訳)
Confucius said, “I aspired after study when I was 15. I became independent at 30. I threw away my hesitation at 40. I understood my duty of life at 50. I became able to listen to other people’s words without prejudice at 60. I became able not to be contrary to morals even though I follow my desire, at 70.”

https://blog.mage8.com/rongo-02-04

 

・文明とは、物質的価値ではなく、社会を構成する人達の行動様式である。

 

・人に迷惑をかけないこと、それが文明人の第一歩である。

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