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2020年9月4日金曜日

 

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「社会のありのまま、…たとえ出来上がったものがいかに醜くも、いかに脆くも、実際存在する現象を種として、社会を治むるこそ政治というべきものである。」(新渡戸稲造「現在世相に関する一、二の所感」)

 

・上記は、新渡戸が「生きた政治」について語ったものである。その際、エドモンド・バークの引用をした。「いやしくも生きた政治を論ずる者は、いたずらに高尚なる言論や理想的なる議論をもって説くべきものではなく、国民の実生活のありのままを観破して初めて解き得るものである」(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』263頁参照)。

 

・「現実、現場、現物」という本田宗一郎の言葉を思い出した。

 

・政治は理想より現実。こうあるべきの理論を翳す(かざす)前に、まず、統治の対象である国民(人民、市民、住民)の生活、社会をありのままに見つめ、何を改善すべきか、何を政治がすべきかを考える。そうすると自然に具体的政策が浮かびあがるのだろう。

 

・新渡戸稲造の『武士道』を愛読書の一つとされた李登輝元台湾総統は、台湾全土を回り、農民始め人々と対話を続けた。政治のあるべき姿の一例だろう。

 

・新渡戸は、東京帝国大学で、植民政策の講義もしたという。その根底にも、まず現地の人々の生活社会ありきの考えがあったのかもしれない。それは、あるべき日本の姿の押し付けとは異なるだろう。

 

・自分の理想を人に押し付けるのではなく、まず相手を理解する。そうすると政治も上手く行くのかもしれない。


1 件のコメント:

  1. 「自分の理想を人に押し形付けるのではなく、まず相手を理解する。」当たり前のようで、難しいことですよね。自分の理想を押し付けることは遠慮するという形で自分でコントロールすることはできても、「相手の理解」には、相当のエネルギーと思考の柔軟性が必要なの気がします。。。

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