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2021年5月12日水曜日

新渡戸稲造の至言から(5月12日)忠告(advice)

 

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「人に忠告せんと思う者は、口に言を発するに先だちて深く心に念ずるこそ順序であろう。また人より忠告を受くるものは、先方の誠意を疑ってはならぬ。彼の言は長く心中に念じたる結果やむなく口外に出でたるものと思えば、これ実に天の声である。」(新渡戸稲造『自警』)

 

・「瞬間湯沸かし器」になってはいけない。じっくり温めて出てくる水蒸気の方が、効き目のある忠告になるようだ。

 

・忠告は、する側の姿勢も大事だが、それを受ける側に受ける準備が出来ていなければ、意味がない。情報や文化も同様で、いくら発信しても、それを受信する側のスイッチがオンになっていなければ、あまり意味がない。

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言から』143頁には、新渡戸に関する三つのエピソードが書いてある。一つ目は、エジプトから日本への帰路、旅費のない新渡戸だったが、『Bushido』の著者と知って船長が後払いを許したこと。(芸は身を助けるということか。)二つ目は、新渡戸は道徳観念等を本から学んだこと。三つ目は、新渡戸は相手に同情しながら様子をみて忠告をしたこと、である。

 

・忠告してくれる人を有難いと思おう。褒めることはしやすいが、忠告はしにくい。蔭で非難して表でいい顔したり無視したりする人より、親切に注意してくれる人を大切にしよう。それにより自分が善くなれば、その方が良い。

 

「困難なることはいかなることなるか?」「己れ自身を知ることなり」「しからば、容易なることはいかなることなるか?」「他人に忠告することなり」(タレス)

 

・「多くの人々は忠告を受けるも、それによりて利するは賢者のみ。」「忠告は秘かに、称讃は公に。」(シルス 

 

・「忠告は雪に似て、静かに降れば降るほど心に長くかかり、心に食い込んでいくことも深くなる。」(ヒルティ)

 

‛A good example is the best sermon.’(English proverb)

 

Advice after mischief is like medicine after death.Danish proverb

Read more: https://www.wisesayings.com/advice-quotes/#ixzz6uegdPDvV



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