5月5日
「武士道は一つの独立せる倫理の掟としては消ゆるかもしれない。しかし、その力は地上より滅びないであろう。」(新渡戸稲造『武士道』)
・上記の言葉は寂しさの中にも力強さがある。武士道が、明治以降、日本社会で軽んじられていくことを新渡戸は危惧しながらも、その精神的力は、「地上から」なくならないだろう、との新渡戸の言葉は、そういう武士道精神をもった人物が世界に居続けるという願望と信念から発せられたものだろう。実際、今日、武道をたしなむ外国人は多いし、Nitobe Inazo著“Bushido”は、120年以上経っても出版され続けている。
・武士の家庭で教えらえていたことは、日本人の生活の中で、自然に浸透して行った。「そんなことして恥ずかしいと思わんか」、「ならぬ堪忍、するが堪忍」、「急がば回れ」等、令和の今日でも普通に使われる言葉である。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言から』136頁参照)
・「観の目つよく、見の目よわく」:前者は広い視野を持つ事、後者は詳細を見ること。木を見て森を見ずではいけないとの教えで、武士なら相手(敵)の刀さばきのみならず、相手の心理状態から周囲の状況まで判断して俯瞰的戦略を持って戦いなさいとの意。
・「死ぬことと見つけたり」:よく武士の生は死と隣合わせと言うが、いつ死んでも良いように一生懸命生きよとの教え。ガンジーの「明日死ぬと思って生きよ」とも通じる。
・「世に生を得るは事を成すにあり」(坂本龍馬):誰しも生まれてきた以上役割がある、そして、人の為に行動するのが、生きる目的である。
・‘Bushido as
an independent code of ethics may vanish, but its power will not perish from
the earth; its schools of martial prowess or civic honor may be demolished, but
its light and its glory will long survive their ruins. Like its symbolic
flower, after it is blown to the four winds, it will still bless mankind with
the perfume with which it will enrich life.’ ( Bushido: The Soul of Japan)
・‘Bushidō
is about experiencing life in every breath. Seeing life in the simplest of
things. There is beauty and honor in that.’ (Flame in the Mist)
0 件のコメント:
コメントを投稿