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2021年5月9日日曜日

新渡戸稲造の至言から(5月9日)疑念(suspicion)

 

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「人の心事を疑うは愚の極である。心は二重三重に密閉せる箱よりも深く蔵した宝なれば、外部より判じ得るものでない。…疑うよりはむしろ信ずべし。信じてあざむかるるは、疑ってあざむくにまさる。」(新渡戸稲造『一日一言』)

 

・新渡戸は“Bushido”を米国で出版したが、新渡戸に断りなく日本の出版社は『武士道』を出版して金儲けした。新渡戸が抗議すると、出版社の社長は家族の病気の話をして許してもらった。が、その主人が新渡戸の印鑑を偽造した時は、さすがの新渡戸も激怒した。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言から』140頁参照)

 

・仏の顔も三度まで。

 

・新渡戸が人を疑わないように心掛けたのは、幼少期に育ててもらった叔父叔母に疑われた時の衝撃も大きかったのではないか。

 

・性善説は人を信じ、性悪説は人を疑う。日本人は多くが性善説。性悪説の西洋社会は契約社会。

 

・信じる者は救われる?でも、こんなに人の心が汚れた社会では、人を疑ってみることも、防御の一つ。防御は最高の攻撃?悪を少しでも減らして行こう。

 

・騙すより騙される方が良い。でも、自分が騙されたことで、人に迷惑がかかるなら、それは最早良い事とは言えない。

 

・「最も恐ろしい疑念は、自分自身に対する疑念である。」(トーマス・カーライル)

 

・「自分の中にある疑念は、裏切り者である。それは、試みることを恐れさせ、手に入れられたかもしれない勝利を逃がしてしまう。」(ウィリアム・シェイクスピア)
suspicion and jealousy never did help any man in any situation. (Abraham Lincoln

 

・‛Suspicion is far more to be wrong than right; more often unjust than just. It is no friend to virtue, and always an enemy to happiness. ‘ (Hosea Ballou

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