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2022年2月19日土曜日

岡倉天心『The Book of Tea』を読む会(第4回と補講のお知らせ)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、

新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、

岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。

・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。

・また、第1回の補講を、ご希望のより開催することになりました。

是非、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

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第4回 岡倉天心の『茶の本』を読む会

日時: 2022年(令和4年)2月24日(木)18時半~20時半

場所: 千代田区麹町区民館

会費: 2000円

その他:岡倉天心『茶の本』(日本語訳)及び

Okakura Kakuzo "The Book of Tea" をお持ち頂ければ有難いです。

お持ち頂けない場合は、当方で、その日のテキストをご用意いたします。

→第4回は、Chapter 3 (Taoism and Zennism)を読みます。

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<補講>第1回 岡倉天心の『茶の本』を読む会

日時: 2022年(令和4年)2月21日(月)17時~19時

場所: 千代田区麹町区民館

会費: 2000円

→岡倉天心の経歴や、何故『茶の本』を英文で書いたのか等をテーマとします。

 テキストは当方で用意致します。

申し込み・お問い合わせ:<nipponia2020@gmail.com>

ご氏名、ご連絡先をお知らせ下さいませ。

NipponIA


2022年1月13日木曜日

岡倉天心の『The Book of Tea』を読む会(2021年12月の報告と2022年1月のご案内)

  12月15日、NipponIAでは、岡倉天心の『茶の本』(Okakura Kakuzo, The Book of Tea)を、英語の原文と日本語翻訳の両方で、第2章を読みました。

 第2章(Chapter 2)は、’The Schools of Tea (茶の諸派、流派)というタイトルだったので、てっきり○○家とか○○流という茶道の流派の話なのかと思って読んだら、全く違いました。

 内容は、お茶の歴史で、中国の唐、宗(Sung)、明の時代で、茶の製法の仕方や入れ方の違い、お茶に対する考え方の違いがあり、3段階に分かれているということでした。流派(schools)というよりは、段階、区分(stages)の説明でした。

 結局、日本において茶道(Teaism, tea ceremony)として確立したのは、宗の時代の道教を思想とした抹茶の儀式が、禅僧によって伝えられ、それが全国にも広まったからだそうです。中国においては、それは明の時代に失われ復活することはなかったということです。

  現在、私達が、お茶葉やティーバッグをお湯やお水に浸して飲むのは、明からの流れのようですが、粉末‘powdered tea’のお抹茶を点ててthe whipped tea’を頂く茶道は宗からの流れだということです。

  岡倉天心は次のように記述しています。

Chinese tea is a delicious beverage, but not an ideal.‘(第14段落)

 Teaism is fully established in Japan.‘(第15段落)

→「茶道」と訳された’Teaism’という言葉は、第1章では頻繁に出てきましたが、

お茶の歴史(三区分)を説明した第2章では、第15段落で初めて現れます。

 そして、岡倉は次のように結びます。

It is in the Japanese tea ceremony that we see the culmination of tea-ideals.’(第16段落)

  読後の参加者間の議論は、とても深い考察でした。

・岡倉は、道教と仏教をどのように位置づけたか。

→次回に読む第3章が道教と禅宗についてです。何かヒントを得られるでしょうか?

・日本の神仏混合と道教の思想?岡倉(家)の仏教の立場?

・日本の様々な宗教宗派とお茶の関係?

・お茶を神様に捧げる?(献茶)「美」とは、大きな羊を神様に捧げること。

・時代背景と宗教、思想、芸術、茶道。日本独自の文化と世界共通の普遍性。

→意外と日本人が忘れているものを西洋人が継承・実践している。

等々

教養豊かな参加者の方々のお話は、尽きることがございません。

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さて、次回の「岡倉天心『茶の本』を原文で読む会」は以下の要領で行います。

岡倉の英語は難しいですが、様々な日本語訳に触れ、その後の知的交流は、なかなか普段得られないものです。Why don't you join us?

第3回「岡倉天心『茶の本』を原文で読む会」

日時:2022年(令和4年)1月26日(水)18時半~20時半

場所:千代田区麹町区民館 

会費:2000円

内容:”The Book of Tea”((Okakura Kakuzo)第3章

持ち物:英文及び日本語訳テキスト(お持ちでない方には当方でご用意致します。)

申し込み・お問い合わせ:電子メール<nipponia2020@gmail.com>

ご氏名、ご連絡先をご明記下さいますようお願い申し上げます。

(注意)新型コロナ(オミクロン株)等の状況によっては、時間変更や延期・中止もあり得ますので、ご了承下さいませ。その場合は、申し込みの方にご連絡致します。

NipponIA事務局




2022年1月1日土曜日

「茶」とともに新年を迎えましょう

  NipponIAでは、2021年10月から、「岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会」を始めました。ある時、気づきました。

 「茶」という漢字は、草冠に八十八と書きます。

 ♪夏も近づく八十八夜♪ と、新茶の季節と歌を思い出します。

 それだけでなく、お茶は、よく心も身も清めると言われます。

 「茶」の字の草冠は、十が二つ並んでいます。すなわち、88+10+10=108。

 「茶」は、大晦日に叩く除夜の鐘の(煩悩の)数と一致します。

 そろそろ日本全国で、除夜の鐘が鳴り響くでしょう。

 さあ、お茶を飲んで新年を迎えましょう。

 良き2022年、令和4年となりますように。

 NipponIA

代表 鈴木くにこ



2021年12月14日火曜日

勇気の出る英語の名言(The sayings which encourage people)

 'Don't judge each day by the harvest you reap,

but by the seeds you plant.'

                   (Robert Louis Stevenson)

「一日の評価は、どれだけ収穫できたかではなく、

どれだけ種を植えられたかで行おう。」


'every wrong attempt discarded is another step forward.'

                  (Thomas Alva Edison)

「すべての失敗は、次の前進への一歩となる。」

2021年11月26日金曜日

岡倉天心『茶の本』を原文で読む会(11月の報告と12月のお誘い)

  11月24日、NipponIAでは、岡倉天心の『茶の本』(Okakura Kakuzo, The Book of Tea)を、英語の原文と日本語翻訳の両方で、第一章'The Cup of Humanity'を読みました。

 参加者それぞれが持ち寄ったテキストは、英語は原文で全く一緒ですが、日本語訳はまちまちです。それも面白いかも、と思い、試験的に、違う日本語でも気にせず輪読しました。日本語の表現が違っても内容が理解できるので、違和感なく進めました。

 それにしても、The Cup of Humanity一つ取ってみても、Cupには器、椀、茶碗、茶器等、Humanityには人情、心、人間愛、人類、人道等、複数の翻訳の仕方がありました。

 また、日本語訳では「茶道」という一言で訳されていても、原文の英語では、Teaism, tea ceremony, Tea Cult, Philosophy of Tean等、複数の表現が見受けられました。

 岡倉天心が、この一章から何を言わんとしていたのか、改めて100年以上前に思いを馳せて、皆で考えてみました。

・『茶の本』が出版されたのは1906年。明治維新の廃仏毀釈等で日本の仏像等の美術品、日本文化が破壊されるのをフェノロサと共に目の当たりにした岡倉が、それではいけないと世界を通して、実は日本に訴えていたのではないか。

・茶の文化を例に挙げながらも、本当は、もっと広い日本文化、日本の精神を題材にしたものだろう。

・「東洋の民主政」(Eastern Democracy)に触れた部分があるが、日本の江戸時代の町人も含めた一般大衆の意識の高さ、町内会的まとまりは、幕府や藩主でさえ認めていたものではないか。その根底には、寺子屋等の教育の普及もあったのではないか。

・インドの話も出てくるが、インドは人口的に世界一の民主主義の国と言われるか、カーストもあり、貧富の格差が大きく、教育、倫理観もまちまちである。

・インドは仏教発祥の地ではあるが、現在、仏教の精神文化を受け継いでいる人はそれほど多くないようだ。

・岡倉は、西洋(the West)と東洋(the East, Asia)を対比させて、西洋人に東洋を見下すなと述べてはいるが、実は、東洋と西洋は相反する対立するものではなく、違いを補い合う、場合によっては融合できるものと期待しているのではないか。それが、The Cup of Humanityの意味ではないだろうか。その点、『東西相触れて』や"Bushido, the Soul of Japan"を著した新渡戸稲造とも共通するところがある。

・「美術は國の精華なり」という岡倉天心の言葉は、国力を計るのにその文化力(スマート・パワー)を重視した見方である。当時、国力は、圧倒的に軍事力等のハード・パワーで見られていた。ハード・パワーがないと「野蛮な国」とされていた当時の国際情勢に、岡倉は疑問を呈したのである。

 今回、11月24日の会で驚くべきことは、参加者の方が、何と美術雑誌『國華』の創刊号をお持ち下さったことです。1889年(明治22年)に創刊された本物です。こんな貴重なことはございません。この美術雑誌『國華』は現在も刊行されている雑誌では世界最古だそうです。日本の素晴らしさを、改めて発見致しました。

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さて、次回の「岡倉天心『茶の本』を原文で読む会」は以下の要領で行います。

岡倉の英語は難しいですが、様々な日本語訳に触れ、その後の知的交流は、なかなか普段得られないものです。Why don't you join us?

第3回「岡倉天心『茶の本』を原文で読む会」

日時:2021年(令和3年)12月15日(水)18時半~20時半

場所:千代田区麹町区民館 

会費:2000円

内容:”The Book of Tea”((Okakura Kakuzo)第2章

持ち物:英文及び日本語訳テキスト(お持ちでない方には当方でご用意致します。)

申し込み・お問い合わせ:電子メール<nipponia2020@gmail.com>

ご氏名、ご連絡先をご明記下さいますようお願い申し上げます。



2021年11月10日水曜日

岡倉天心『茶の本』を原文で読む会(10月の報告と11月のお誘い)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、

新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、

岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催します。

初回(10月27日)には、

何故、岡倉天心は『茶の本』を英語で書いたのだろうか、という問題提起をして、

その動機について議論しました。

「日本語より英語が上手かったから?」

「英語で書くことで、日本文化を客体化し、普遍的に捉えたかったのではないか。」

「そこには、一種のNationalismが存在するのでは?」

「日本や東洋を馬鹿にするなと西洋人に言いたかった?」

等々、様々な意見、考えが出されました。

「日本文化は、結局のところ日本語でしか上手く表現できないのでは?」とおっしゃる方も。

その日本文化をあえて英語で表現しニューヨークで100年以上前(1906年)に出版。

それが現在(2021年)でも英語でも日本語翻訳でも読み続けられている。

その謎に迫りながら、本を読んで行きたいと思います。

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第2回 岡倉天心の『茶の本』を読む会

日時: 2021年(令和3年)11月24日(水)18時半~20時半

場所: 一番町集会室(千代田区)

会費: 2000円

その他:岡倉天心『茶の本』(岩波文庫、日本語訳)及び

Okakura Kakuzo "The Book of Tea" をお持ち頂ければ有難いです。

お持ち頂けない場合は、当方で、その日のテキストをご用意いたします。

→第2回は、Chapter 1 (The Cup of Humanity)を読みます。

申し込み・お問い合わせ:<nipponia2020@gmail.com>

ご氏名、ご連絡先をお知らせ下さいませ。

NipponIA




2021年9月18日土曜日

新渡戸稲造と柳田国男

 新渡戸稲造と柳田国男との関係について、

稲村公望先生より、以下の情報提供がございました。

大変興味深い内容です。ご参考まで

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ロナルド・モースは、柳田の研究者です。

成城大学でシンポジウムをしたときの発言の動画がのこっていましたので、送ります。
新渡戸との微妙な関係について言及しているからです。

https://www.youtube.com/watch?v=JYYhc3L4osk

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以上

NipponIA


岡倉天心『The Book of Tea』を読む会(第4回と補講のお知らせ)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、 新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、 岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。 ・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。 ・また、第1回の補講を、ご希望のより開...