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2020年8月30日日曜日

新渡戸稲造の至言から(8月30日)

 

830

「俺には本線はないのだから、脱線なんかありっこない。」(『新渡戸博士追憶集』)

 

・新渡戸は、東京帝国大学で経済学と植民政策の授業を教えている時、よく教科書から脱線して、より実践で役立つ話をしたらしい(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』257頁参照)。おそらく、上記の言葉は、それへの批判に対して、ユーモアを交えた回答なのだろう。

 

・ユーモアのセンスは大事である。一言で、抗議や批判に笑いで返す。怒りたくても、思わず笑ってしまう。真面目に怒れなくなってしまう。例えば、日本には一休禅師の頓智がある。「一休さん」と呼ばれ、絵本にもなり子供たちにも親しまれてきた。マニュアルや堅苦しい規則ばかりでなく、楽しい、面白い知恵の大事にする豊かな社会であり続けたい。

 

・思い出すのは、椎名悦三郎外務大臣の国会答弁。日米安保条約に関して、アメリカを番犬呼ばわりした椎名大臣に対して、野党が追及すると、椎名大臣は、「失礼致しました。番犬様でございました。」と答えたという。当時の新聞記者たちも面白がったエピソード。

・同じ椎名悦三郎外務大臣は、1965年の日韓基本条約の締結にも尽力された。その時も、社会党の議員から、過去の日韓関係に関し、「深く反省している。」とはどういう意味かと問われ、「しみじみと反省しているということであります。」と答えたそうだ。A quick witのきいた答弁である。

 

・南米コロンビアの外交官。国際セミナーによく遅れてきた。ある時、友人が、「よく遅れますね。」と言うと、「いや、私は一度も遅れたことはない。私は、いつも自分の時間に忠実です。」と答えた。

 

Be wise, rather than be intelligent, or be clever.




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