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2020年8月27日木曜日

新渡戸稲造の至言から(8月27日)

 

827

「世間には、表面だけは泥水の中に入らないで清いように見えていて、内実は随分乱暴な生活をして、浮名を流す婦人が少なくない。そういう人は賤業婦としての鑑札を取っていないばかりで、大きな顔をして世の中にはびこっている。」(新渡戸稲造、『一人の女』)

 

・新渡戸の言葉は深い。上記をそのまま読めば、表面だけ清らかそうに見えても駄目で、生活態度や内面からきれいであるべき、ということになる。が、上記の言葉の背景には、現在清らかに生活している人に対して、過去の履歴等を出してきて非難している人たちのことを、新渡戸は逆に卑しいと思って述べたようだ(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』254頁参照)。

 

・新渡戸の時代と同じような事が現在でもある。過去を穿り出して、人の人格全てを否定するような情報を流したり、人の不幸や恥部を公にさらすことをしたりする人がいる。同情や共感による励まし合いなら良いが、それが人を助けることにならないこと、まして嘲笑や噂話なら止めた方が良い。

 

・少年院に定期的に講演に行っている友人がいる。その友人によると、少年たちのほとんどは悪い子たちではなく、逆に、一般の人たちより優しい子も多いと言う。だから、その子たちが更生したら、日本社会は快くもっと積極的に受け入れるべきだと言っていた。新渡戸の言葉と通じる。

 

Keep improving yourself, not comparing to others, but comparing to yourself of yesterday.

(自分自身を向上させよう、他人との比較でなく、昨日の自分と比べて)





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