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2020年11月19日木曜日

新渡戸稲造の至言から(11月19日)

 

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「国際化というものは、ちょっと離れたディタッチしたところから国際問題を眺めて、正しいことならば譲ってもよし、自国が正しいならばあくまでもこれを通す。それがすなわちフェヤプレーである。…正義の観念なしに、フェヤプレーはありえない。」(新渡戸稲造『内観外望』)

 

・新渡戸稲造のすごいところは、100年以上前から、今をまるで見据えていたような言葉を述べている点である。今日、「自由で公正な」貿易と言われるように、自由競争には、公正なルールに基づくという前提条件があるわけだ。オリンピック等スポーツ競技においても、フェアプレイの精神が前提であり、ドーピング等「卑怯」な手段は失格となる。「国際化」の土台は「正義の観念」という新渡戸は、いかに国際取引、国際交渉等で苦労したかが分かる。しかし、最後は、正義こそ真の国際化を進めることができるというのが新渡戸の信念だったのだろう。

 

・新渡戸は、最期まで、国内外の批判を恐れず、正義と信念、真実に基づいて行動した人だった。軍国主義が日本を間違った方向に行かせてしまうことを憂えた新渡戸は、それを松山市での講演で話したところ、メディアで取り上げられ、新渡戸は世論から集中非難を浴びる。(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』342頁参照)いつの世でも、マスコミや世論には要注意である。それでも、それに屈しない(ポピュリズムに迎合しない)新渡戸のような人こそ、歴史に名が残るのだろう。

 

・自由には、権利ばかりでなく義務も伴う。

 

・「国際化」の中には、しっかりした「国」がある。

 

・正義感の強い人、厳しくて付き合いにくいかもしれないけれど、実はとっても良い人。

 

・正義感の強い人は、ブレることが少ない。信用できる人である。

 

・‘True peace is not merely the absence of war, it is the presence of justice.’ (Jane Addams)

・‘Being good is easy, what is difficult is being just.’ (Victor Hugo)

・‘We don’t need to be good. But let’s try to be fair.’ (Holly Black, “The Cruel Prince”)

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