7月11日
「武士の教育において守るべき第一の点は品性をつくるにあり、思慮、知識、弁論など知的才能は重んぜられなかった。」(新渡戸稲造『武士道』)
・武士(士族)の教育は、頭でっかちな人間をつくることではなく、精神性と礼を重んじ、健康で行動できる人の育成であった。しかし、必ずしも知識の習得等を軽んじているわけでもなかった。
・「品性さえ備われば知識はあとからついてくる」と新渡戸は考えていた。それ故、彼の書物、教育は、それに力点が置かれていた。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』206頁参照)
・「品性とは何か。」それは、その人の心から表れる振る舞いやしぐさだろうか。
・「上品」とか「下品」とかいう言葉があるが、「品格」には格差がある。
・「品性」は、品格の性質をいうのだろうが、「品性をつくる」とか「品性を磨く」とは、結局のところ、人格形成、人間性を磨くということだろうか。
・知識を得ても、それを人のために役立てなければ意味がない。
・「士農工商」制度における武士は特権階級。「ノブレス・オブリージュ」(高貴な者、地位の高い者ほど、人々に尽す義務がある)という考えからも、「品性をつくる」ことが重視されたのだろう。
・「国家の品格」等、「○○の品格」という言葉が、近年に流行ったことがある。裏を返せば、それらが失われてきたから、それへの危機感だったのかもしれない。
・「品性」を英語で調べたら、「character」(性格)と出て来た。品性のある人のことは、「a man of noble character」、品性をつくることは、「build
one’s character」、品性を磨くことは、「cultivate one’s character」となる。すなわち、性格の良い人物を育成するということ、徳のある人間をつくるということ。
・あるタイ人の言葉。「頭がよくても、心が悪くてはだめ。」武士道にも通じる。
・凛とした態度、弱みを見せない態度、潔さ、鋭さ、「大人の態度」、冷静さ、礼儀正しさ、気前の良さ、威厳等が、武士の品性だろうか。
・‛Character cannot be developed in ease and quiet. Only through
experience of trial and suffering can the soul be strengthened, ambition
inspired, and success achieved. ‘ (Helen Keller)
・‘Character is
not something that you buy; it is not a commodity that can be bartered for; it
is not a quality suited for only the rich and famous; rather, character is
built upon the foundational commitment of love, honesty, and compassion for
others. ’ (Byron R. Pulsifer)
・‘Your
character defines who you are by the actions you take.’(Catherine
Pulsifer)
・(The best index to a
person's character is how he treats people who can't do him any good, and how
he treats people who can't fight back. ’(Abigail Van Buren)
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