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2021年7月31日土曜日

新渡戸稲造の至言から(7月31日)誹謗中傷(slandering)

 

731

「世評なるものは、我々が得意になり、あるいは岐路に迷わんとする時これを抑えて軌道に惹きつける役目をするものと思えば、修養の一大補助とも見なされる。」(新渡戸稲造『自警』)

 

・人の噂も75日。

 

・誹謗中傷されても冷静に。感情的になるな。

 

・他人に誹謗中傷されても気にするな。仲間に信頼されていれば、それでよし。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』226頁参照)

 

・‛Slander is the tool of cowards. Vanna Bonta

 

・‛Slander is an admission that you don't have anything else worthwhile to say. It is a clear indication of both your personal emotional bankruptcy and the paucity of whatever arguments you are advancing.‘(Rebecca Hamilton

 

・‘The tongue of slander is too prompt with wanton malice to wound the stranger.’(Aeschylus

2021年7月30日金曜日

新渡戸稲造の至言から(7月30日)考えること(Thinking)

 

730

「人の心は常に動き不断に進みつつある。心の動きを考えという。考えなきは心の働きなき証拠で、心の働きなきは死と異なるところがない。生きているものならば必ず考える、すなわち思う。」(新渡戸稲造『人生雑感』)

 

・‛je pense donc je suis.’(「我思う、故に我あり。」) (デカルト)

 

・「人間は考える葦である。」(パスカル)


藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』225頁には、「思う」とは、「物の哀れを思う」ことだと新渡戸が考えていたことが述べられている。人を表面的に判断せず、誰にでも悲哀はあり、それを感じることが大切だと説く。

 

・生きている証拠として、心も考えも変化し得る。

 

・‘If everyone is thinking alike, then no one is thinking. ’(Benjamin Franklin

 

・‛You were born with the greatest weapon in all of nature — the rational, conscious mind. ‘(Robert Greene

 

・‘To think is easy. To act is difficult. To act as one thinks is the most difficult of all. ’(Johann Wolfgang von Goethe

2021年7月29日木曜日

新渡戸稲造の至言から(7月29日)抵抗力(resistance)

 

729

「物理学からいえば、力とは何か働きをするものである。…働きが現れて初めて力となるのである。けれども力とはこちらから働くものばかりではない。働きかけられた力に抵抗するものもまた力である。」(新渡戸稲造『人生雑感』)

 

物事に流されたり協調したりすることにはたいした力は要らないが、物事に抵抗するにはそれなりの力が要る。

 

・押してだめなら引いてみる。

 

・悪に対する抵抗力、病気に対する抵抗力、これらの力を身に付けることも大切。

 

・‘Kites rise highest against the wind – not with it.’ (Winston Churchill

 

・‘Every moment of resistance to temptation is a victory.’(Frederick William Faber

‛Resistance is the first step to change.’ (Louse Hay)

 

・‛Victory will never be found by taking the path of least resistance.‘ (Winston Churchill

The history of liberty is a history of resistance.’Woodrow Wilson

 

2021年7月28日水曜日

新渡戸稲造の至言から(7月28日)

 

728

「慈善の最大終極の目的は、慈善を受けるようになった不幸な人間を一人前の男一ぴきにするにある。依頼心のある奴を独立させる、すなわち自分の足で歩くようにさせるにある。」(新渡戸稲造『人生雑感』)

 

・慈善事業とは、お金を与えることとは限らない。より重要なのは、その者が独立できる指針を与えることである。そのことを、新渡戸は、福沢諭吉の例を挙げて述べている。藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』223頁参照)

 

・真の友人には、「魚を一匹あげるより、魚の獲り方を教えよ。」

 

・「独立の精神なき者は、つねに他人をあてにする。他人をあてにする者は、必ず他人の態度を気にする。他人を気にする者は、必ず他人にお世辞を使う。」(福澤諭吉)

・‘I am no bird; and no net ensnares me: I am a free human being with an independent will.’(Charlotte Bronte

 

・‛The most courageous act is still to think for yourself. Aloud.‘ (Coco Chanel

‘When I discover who I am, I’ll be free.’Ralph Ellison

2021年7月27日火曜日

新渡戸稲造の至言から(7月27日)

 

727

「七福は外にあるものでなくて内に在るものだ。運とは外の現象ではなく心の態度である。何を悲運といい、何を好運というか。石は禍、金は幸と定まったものではない。すべて禍を幸に変えることは自分の態度によるものである。」(新渡戸稲造『人生雑感』)


・幸せになろうと思えばなれる。そう思えば良いだけ。

 

・コップの水を「半分もある」と見るか、「半分しかない」と見るかは、あなた次第。

 

・顔で笑って心で泣いている人もいれば、その反対もいる。

 

・人の気持ちは、そう簡単には分からない。

 

・‛Happiness is not doing fun things. Happiness is doing meaningful things. ‘(Maxime Lagacé 

 

・‛If you want to be happy, be. ‘ (Leo Tolstoy

 

2021年7月26日月曜日

新渡戸稲造の至言から(7月26日)

 7月26日

「才を惜しむの心はひいて(は)人を惜しむに至る。かくてこそ始めて人に長たることが出来る。…人を使うには、決して自分の便利のみを計るべきでなく、同類の人たる以上は、必ずその人格を無視することは出来ぬ。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)


新渡戸は、国内外の国会議員からノーベル賞受賞者等との親交もありつつも、お高く傲慢になることを慎み、常に使用人等下々の者にも、分け隔てなく親切い接した。一人ひとりの長所を見、その人達を時に惜しんだ新渡戸は、人からも大変惜しまれる人物となった。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』221頁参照)

 

・人を育てるとは、人の長所を褒め、それを世の中のために生かさせること。

 

・才能を持たない人はいない。

 

・部下や子供などが、自分を越して行ってくれることほど嬉しいことはない。教育の成功である。

 

・尊敬されていた先生が、「先生、もう要らない」と言わrたら、それは最高の先生である。

 

・「能ある鷹は爪を隠す」

・「実る程、頭の下がる稲穂かな」

 

・謙譲、謙遜は美徳。卑下することとは違う。

・すべてのものに、感謝。

・地位に関係なく、善行をしている人を尊敬。

 

‛Respect others. Others will respect you.’ (KNS)

Little people are indifferent. Superior people are caring. ’Maxime Lagacé

 

Respect a man, he will do the more. ’James Howell

2021年7月25日日曜日

新渡戸稲造の至言から(7月25日)技量(skill)

 

725

「泣き言や小言をいうものは、その技量あることを示すものでなく、むしろ技量なきを示すものではないかと思われる。…この仕事は己の技量に比して、不似合いに軽いと泣き言いう人に限り、軽い傘をも重く荷うて世渡りするものである。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)

 んな仕事は「易しすぎる、つまらない」と言うのも、「難しすぎて、できない」と言うのも、どっちもどっち。「創意工夫」して、少しでも楽しくするのが大切。


藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』220頁には、お茶の製造者の話が載っている。物事を決めつけてはいけないこと、お茶を感謝して頂くこと等を新渡戸が教えてくれる。


・「忙しいふり」をしている人、心が亡くなる。

 

・真に忙しければ、小言を言っている閑もない。

 

・技量の軽重は誰が決めるのか。

 

・‛All skills are perfected through the process of failure. Embrace loss as a necessary part of improvement.’(Jerry Lynch

 

・‘Build your skills, not your resume.’ (Sheryl Sandberg

 

・‘The highest skill is the true judgment of values.’(Francois Alexandre Frederic725


2021年7月24日土曜日

新渡戸稲造の至言から(7月24日)正直(honesty)

 

724

「日本人が平気で嘘をいうことは、今も昔も少しも変わらない。…外国では嘘ということが非常にやかましい。…米国人は嘘を言うと言われるのを非常に嫌う。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)

 

・曖昧な返答が許され、建前と本音のある日本社会。多様な民族と民主主義を掲げて、言語や議論を重視する米国社会。嘘が許されない米国社会で思い出すのが、女性スキャンダルが発覚した時のクリントン大統領への評価。やった事よりも、それを素直に認めて謝罪した大統領の正直さに、国民は好感をもった。

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』219頁には、日本人が米国人に「嘘でしょう?」と言ったことがきっかけで絶交になってしまった話が記載されている。それだけ米国人は嘘と言われることに敏感らしい。

 

・日本でも、「正直は最良の策」とか、安倍能成先生の「正直第一」という言葉がある。

・正直でなければ、信用、信頼は得られない。

 

・嘘は嘘を呼び、いつか化けの皮が剥がれる。

・嘘が積み重なると、矛盾点が多くなる。

 

・心が正直で、頭が論理的なら、相手の嘘を容易に見抜くことができるようになる。

 

‛Honesty is the first chapter of the book of wisdom.’Thomas Jefferson

‘Honesty is always the best policy.’ (George Washington)

 

The first thing it to be honest with yourself.’ (Nelson Mandela)

 

2021年7月23日金曜日

新渡戸稲造の至言から(7月23日)

 

723

「己がこの世に生まれた目的は、こんなことをなすためではないと(の)自負のあまり、現在の職務を怠れば、これは取りも直さず、その人のエラクないことを証明するに過ぎぬ。己の現在の職務を完全に尽くす者が一番エライと思う。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)

 

・やるべきことを淡々とやる。それが繋がって道が開ける。

・「報われない努力はあっても、無駄になる努力はない。」

・地道な努力の積み重ねが、金メダルを生む。

・新渡戸は、人生は地味なものだと言う。それをカーライルの著書から学んだ。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』218頁参照)いきなり輝かしい栄光はない。その蔭には、見えない地道な努力がある。

 

・毎日をコツコツと過ごしていると、それがその人の人生になる。

 

・「置かれた場所で咲きなさい」という言葉があったが、その場所は自分で選べる。その場所の環境が悪ければ、「創意工夫」で、その場を離れたり、その場を改善したりして、咲きやすくすることは出来る。

 

‛Never give up, great things take time.’Anonymous)

‘All our dreams can come true, if we habe the courage to pursue them.’ (Walt Disney)

 

You want to know the difference between a master and a beginner? The master has failed more times than the beginner has ever tried.’Yoda

 

‘We don’t grow when things are easy. We grow when we face challenges.’Anonymous

・‛Life is not a problem to be solved, but life is a reality to be experienced.’(キルケ・ゴール)

 

 

2021年7月22日木曜日

新渡戸稲造の至言から(7月22日)不満(disatisfaction)

 

722

「自分は不遇である、世にいれられぬ、己を推薦してくれと言って広告的に歩きまわる者はすこぶる多い。しこうして、かかる人の過半は、世のために不遇となったのでなく、自業自得で、たいがいは傷物である。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)

 

・自分の事ばかり自慢したり、中心に考えたりして、相手を思わない人には気を付けた方がいい。

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』217頁には、新渡戸が人生相談をして真摯に対応し、仕事まで斡旋した人が、実はその人自身に問題があることを後から知り、がっかりし、上記のような言葉に至ったことが書かれている。人の好意を無にしてはいけないこと、また一人の人のいう事を信じ切ってもいけないことの教えである。

 

・人を信用しきってもいけないし、人の信用を裏切ってもいけない。

 

・不満を言っていられるほど暇なのだ。忙しければ怒っている閑もない。


・不満ばかり言っていては自分も他人も楽しくない。

 

・‘To cure jealousy is to see it for what it is, a dissatisfaction with self.’ (Joan Didion

 

・‘We are all more blind to what we have than to what we have not.’(Audre Lorde

 

・‘Less is even less, and more is still not quite enough.’ (Faith Ringgold

 

・‘Much of what we called "depression" was really dissatisfaction, a result of setting a bar impossibly high or expecting treasures we weren't willing to work for.’ (Mitch Albom

岡倉天心『The Book of Tea』を読む会(第4回と補講のお知らせ)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、 新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、 岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。 ・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。 ・また、第1回の補講を、ご希望のより開...