このブログを検索

2021年3月31日水曜日

新渡戸稲造の至言から(3月31日)

 331


「どんな偉い人でも、世の中を拵(こしら)えることはできないが、世の中に拵えられるものである。…私どもは境遇に克ち境遇に反抗し、境遇を変更し、境遇を改良し、境遇を利用する決心がなければならぬ。」(新渡戸稲造『一人の女』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』98頁には、明治の時代の、日米国際結婚が、いかに大変だったかが描かれている。それでも、新渡戸とメリー夫人は、諦めずに人を説得し、最後は皆からの祝福を得て旅立った。

 

・境遇に打ち克つには、相当の覚悟と勇気がいる。

 

・結婚は生易しいものではない。愛は強くなければならない。

 

・今偉いかどうかが問題ではない、境遇に克てるかどうかが将来を決める。

 

’Man is not the creature of circumstances, circumstances are the creatures of men. We are free agents, and man is more powerful than matter.’( Benjamin Disraeli
 

・‘The great advantage of being human is that we can employ rational thought and resolve to change our circumstances.’(Mariella Frostrup


Read more: https://www.wisesayings.com/circumstances-quotes/#ixzz6qhBwYP2J

2021年3月30日火曜日

新渡戸稲造の至言から(3月30日) 結婚(wedding)

 3月30


「結婚は一種の霊的関係である。…夫婦相互に短所はあっても、これを責めるようなことをせず、むしろ補うようにし、長所があれば、これを崇め、それに倣うように心がけてさえいけば、自然に調和が現れてくる。」(新渡戸稲造『一人の女』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』97頁には、新渡戸のメリー夫人との出会いとその後のエピソードが書かれている。理想的な夫婦関係に思える。

 

・結婚は運命的なものかもしれない。この世界には何十億の人が存在し、またこの世で多くの人達に出会うのに、めぐり逢い、結ばれるのは、ただ一人(または再婚等してもせいぜい数人)。

 

・縁結びの神様もいれば、キューピットという天使もいる。

 

・愛情か、利益か、何が結婚を決めるのだろうか。

 

・結婚相手のことを、a better halfと言う。一緒になって、two better halvesになると、a best coupleになるのだろうか。ハーフとハーフの組み合わせが、ぴったり来るようになるのは、蛤の貝合わせのようなもの。そういう相手なら良いが、そうでないとずれてしまうことも。貝合わせは、旧暦33日(現在の4月初旬)のひな祭りに行われた。平安時代から続く1000年以上の行事、桜を愛でながら、思いを馳せてみよう。

 

・‛Whatever our souls are made of, his and mine are the same.’ (Emily Jane Bronte)

 

・‛You don’ t marry someone you can live with… You marry the person who you cannott live without.’ (Unknown)

 



2021年3月29日月曜日

新渡戸稲造の至言から(3月29日)

 

329


「花を折るか実を待つかの決心によって、人の賢愚も禍福も定まる。ところが、とかく短慮の凡人は、手近い五官に触れやすい幸福や快楽に幻惑されて、目に見えない遠いところにある真の幸福を得るような心がけをしない。」(新渡戸稲造『一人の女』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』96頁には、新渡戸がメリー夫人と出会い結婚するエピソードが綴られている。実が熟すのを待っていたそうである。

 

・短気は損気。

・神様の前髪を掴もうと焦ると、かえって逃してしまう。

・果報は寝て待て。

・常に準備は大事。そなえよつねに。

 

・簡単につかめてもすぐ消滅してしまう幸福よりも、やっとつかんで長続きする幸福の方が良い。

 

・‛To be impatient is to be hooked on the future.’ Gerald Jampolsky

 

・‛Alas, impatience is but another form of unhappiness. It is true, it is true. I have never met a happy impatient person. ‘(Richelle E. Goodrich

Read more: https://www.wisesayings.com/impatient-quotes/#ixzz6qVrxcwev

2021年3月28日日曜日

新渡戸稲造の至言から(3月28日)民主主義(democracy)

 

328


「万民挙げ上下を論ぜず、男女の区別なく、職業の何たるを問わず、教育才能をも論ぜず、相互の人格を尊重する態度、これがあって始めてデモクラシーの意義が解し得られる。」(新渡戸稲造「デモクラシーの根柢的意義」)

 

・二十代の新渡戸が英国で見た光景は、労働者たちが時事問題を議論している姿だった。職業の上下なく皆が議論できる状況に民主主義を見た思いだった。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』95頁参照)

 

・職業に身分の上下無し。職業の違いは、その能力に応じて単に分担作業をしているにすぎない。藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』95頁参照)

 

・相手の人格を尊重すれば、パワハラ(power harassment)もセクハラ(sexual harassment)もなくなるだろう。

 

・民主主義の基礎に平等主義がある。一人一票の原則もその一つ。

 

Democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time.’ (Winston Churchill)

 

. Democracy is the art of thinking independently together.  (Alexander Meiklejohn

Read more: https://www.wisesayings.com/democracy-quotes/#ixzz6qPFrBhi0

2021年3月27日土曜日

新渡戸稲造と聖火リレー

  東京オリンピックの聖火リレーが3月25日に福島のJビレッジを出発して3日目の今日、

福島県南会津町でリレーに参加したのは、カナダ人のウィリアム・マクマイケルさん。

幼少期に新渡戸稲造の伝記漫画を読み、日本と世界の懸け橋になれる人になりたいと思ったそうだ。(下記URL参照)


新渡戸に憧れ「懸け橋」に、カナダ人「フクシマは危険」の誤解払拭願う[Tokyo2020+]


 そんなカナダ人が聖火リレーをつないでくれることに感謝、感激。
 それに、偶然だが、新渡戸稲造が人生の最期を遂げたのは、カナダだった。
 不思議な縁が、時空を超えてつながった。

 NipponIAの代表を務める鈴木くにこ著『オリンピックと日本人の心』にも第一章に新渡戸稲造が出てくる。新渡戸稲造と近代オリンピックの創設者クベルタン男爵は、どうも似ているところがあるらしい。

新渡戸稲造の至言から(3月27日)

 327


「アダム以来今日まで何千年を経たか知らんが、同欲相趨(よくをおなじくしてあいおもむき)、同憂相収(うれいをおなじくしてあいおさむ)の感起こり、新しきを温(たず)ねて故(ふる)きを知った。」(新渡戸稲造『帰雁の蘆』)

 

・新渡戸は、ローマ滞在中、農業の研究調査で新物を試して体調不良となった。その時に禁断の実を食べて楽園を追放されたアダムの事を思い起こした。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』94頁参照)

 

・温故知新もあれば、温新知故もある。いずれにしても過去、現在、未来、類似点、比喩等、時間・空間を問わず、学ぶことがある。

 

・歴史は繰り返す。だから賢者は歴史から学ぶ。

 

・繰り返されるのは自然の摂理か、それとも変わらぬ人間か。

 

・欲望も、憂いも、争いも、親切も、いつの時代にも、どこにもある。

 

・‛If you want something new, you have to stop doing something old.’(Peter Drucker)

・‛Mixing one’s wines may be a mistake, but old and new wisdom mix admirably.’ (Bertolt Brecht)

 

本日見つけた、今も生き続ける新渡戸出身校のクッキー


2021年3月26日金曜日

新渡戸稲造の至言から(3月26日)

 326


「金でする慈善はまだ本当の慈善じゃない。聖人が世を憐れむに銭を出した例があろうか。西洋でも東洋でも、名僧知識はかえって他人から銭をもらいながら、なお世を助ける。同情とか親切というはその心がけと、それがため心身の勤労を厭わんことだ。」(新渡戸稲造『帰雁の蘆』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』93頁には、新渡戸が米独留学中に受けた親切や援助についての逸話が書かれている。それらの経験もあり、新渡戸は、後、人々に親切に接している。

 

・金の切れ目は縁の切れ目。だから金で買った心はなくなることも。心で繋がった心は、ともすれば永遠に残る。

 

・お金の寄付も良いが、それ以外でも人を癒したり助けたりできることはある。

 

・お金を貰ってやるのは労働、慈善事業はボランティア。

 

・親切が自然にできるようになると良い。

 

・お金をもらわないと出来ない親切は、お金を入れると動くロボットや自販機みたい。

 

・対価を求め始めたら、もはや真の慈善ではない。

 

・‘Do things for people not because of who they are or what they do in return, but because of who you are. ’( Harold S. Kushner

 

・‛Carry out a random act of kindness, with no expectation of reward, safe in the knowledge that one day someone might do the same for you.‘ (Princess Diana

Love and kindness are never wasted. They always make a difference. They bless the one who receives them, and they bless you, the giver.’( Barbara De Angelis

 

2021年3月25日木曜日

新渡戸稲造の至言から(3月25日)

 325


「もし死後十年自分の著述を読む人があったなら、その読者に土の下から深い感謝を述べたい。おそらく死後三年を長らえる著述は、自分にはあるまいと日ごろ思っている。これは自身は真の学徒ならざる故である。」(新渡戸稲造『偉人群像』)

 

・死後88年経っても、私達は新渡戸稲造の著述を読んでいる。土の下から新渡戸は驚いていることだろう。

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』92頁によると、新渡戸がお手本にしたのは、ドイツ、ベルリン大学のシュモラー教授だった。経済学の大家であるのみならず、その人間性に、新渡戸は心を打たれた。

 

・古典には、古典になり得る存在価値がある。

 

・人間は死後の世界は分からない。ただ、一生懸命、人に尽くした人は、有名無名を問わず、誰かしらの心に残って、生き続ける。

 

・「ペンは剣よりも強し」とは、その時の影響力よりも、より長い将来にわたる影響力を言うのかもしれない。

 

・‘We write to taste life twice, in the moment and in retrospect.Anaïs Nin

 

Either write something worth reading or do something worth writing.Benjamin Franklin

 

・‛No tears in the writer, no tears in the reader. No surprise in the writer, no surprise in the reader. (Robert Frost

2021年3月24日水曜日

新渡戸稲造の至言から(3月24日)碩学(great scholar)

 324


「僕がかつて独逸(ドイツ)におった頃、学会の泰斗(たいと)と称せられた碩学(せきがく)を訪問したことがある。真に雷名が世界にとどろいている人は、みだりに専門の学問談をしない。聞けばいくらでもするが、聞かねば一言も言わぬ。その深みは測られぬところもあるが、日常の談話は普通の人と異なったことがない。」(新渡戸稲造『修養』)

 

・新渡戸はドイツ留学中、学問のみならず、人間性も学んで磨いた。そして後に、学生や女性、子供に接する時も、威張らずに親切であった。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』91頁参照)

 

・出来る人ほど、自慢しない。

 

・「能ある鷹は爪を隠す。」

 

・「実るほど頭の下がる稲穂かな。」

 

・真に理解している頭の良い人ほど、人には平易な言葉で分かり易く話が出来る。

 

・本当に出来る人は、余裕があって、人にも親切に出来る。

 

・‘What is bad? All that is born of weakness.’ (Friedrich Nitzsche)

 

We can't solve problems by using the same kind of thinking we used when we created them.’ (Albert Einstein

 

’Edison failed 10, 000 times before he made the electric light. Do not be discouraged if you fail a few times.‘ (Napoleon Hill

 

・‛Attitude is a little thing that makes a big difference.’ (Winston Churchill)

2021年3月23日火曜日

新渡戸稲造の至言から(3月23日)霊感(spritual power)

 

323


「我輩は幼い時から迷信的に一種の霊力を信じていたために、学生時代には折々、友人の物笑いとなった。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』90頁によると、新渡戸は、米独の留学中、霊能者に会ってご先祖様のことなどを聞くことを好んでいた。信じることが多く、疑い深くなかったそうだ。

・新渡戸は、本の読み方では、critical thinking /mind l’esprit critique 批評的精神)を推奨したが、人間関係では性善説をとっていたようだ。

 

・何を信じるかは人それぞれ。でも、自然の摂理の中には、真理が隠されているようだ。日が昇れば沈み、花が枯れてはまた芽が開き、冬の後には春が来る等、規則正しいリールがある。

 

・信じる者は救われる?でも、騙されることと、信じることは違う。

 

・霊感は誰にでもある。ただ気づかないだけ。

 

・御霊(みたま)の霊は霊力の霊。ご先祖様や英霊に感謝。

 

・‛Darkness cannot drive out darkness; only light can do that. Hate cannot drive out hate; only love can do that.‘ (Martin Luther King, Jr.

 

・‘We do not need more intellectual power, we need more spiritual power. We do not need more of the things that are seen, we need more of the things that are unseen.’ (Calvin Coolidge

 

 

2021年3月22日月曜日

新渡戸稲造の至言から(3月22日)一人ぼっち(loneliness)

 

322

「自分はこの世に親もなく友もなく、全く一人ぼっちで淋しいと思う人があるかもしれないが、私の信ずるところによれば、世の中に一人ぼっちのものはない。必ずどこかで誰かが「安全」と「出世」とを祈ってくれるものである。」(新渡戸稲造『一人の女』)

 

藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』の89頁には、新渡戸が、ドイツのボンに留学中、見知らぬ婦人がそっと新渡戸のことを見ていてくれた逸話が載っています。

 

・世界は広い。きっと、どこかしらに、貴方を見捨てない人、貴方を思う人、貴方と気が合う人がいる。だから、生きていよう。そのうち出会う。

・一人ぼっちでも孤独でない。見えない誰かが見ていてくれると信じられるから。大勢に囲まれていても孤独感はある。心が空虚だから。

 

・誰も一人ぼっちではない。この大自然に生まれ、空気を吸い、お天道様が照っていて、生かされている。それだけでも感謝。

 

・うつむいて、下を向いて歩いていたら、小さなてんとう虫を見つけた。動いている。野原の土手にたんぼぼを見つけた。生きている。みんな一生懸命。

 

・自分だけが不幸で孤独なんて嘘。知らない所で、色々な人がたくさんの悩みや苦労を抱えている。見えないだけ。見せないだけ。だから、だれも一人ぼっちではない。

 

・‛The lonely one offers his hand too quickly to whomever he encounters.’ (Friedrich Nietzsche)

 

・‛the time you feel lonely is the time you most need to be by yourself.’ (Douglas Coupland)

岡倉天心『The Book of Tea』を読む会(第4回と補講のお知らせ)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、 新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、 岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。 ・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。 ・また、第1回の補講を、ご希望のより開...