9月30日
「勝利以上に危険なものはまず少ない。時たま起こる災難こそ親切な警告なのである。」(新渡戸稲造『編集余録』)
・勝って兜の緒を締めよ。
・驕れる者久しからず。
・コロナ禍も、大地震も、水害も、何か大事なものを私達に教えてくれているのかもしれない。「親切な警告」を無駄にしてはいけない。
・勝利に浮かれているうちに、次の戦いは始まっている。
・うさぎとカメ
・塞翁が馬
・好景気の時より、災難の時の方が、人々は将来のために協力できる(しなければならない)。
9月30日
「勝利以上に危険なものはまず少ない。時たま起こる災難こそ親切な警告なのである。」(新渡戸稲造『編集余録』)
・勝って兜の緒を締めよ。
・驕れる者久しからず。
・コロナ禍も、大地震も、水害も、何か大事なものを私達に教えてくれているのかもしれない。「親切な警告」を無駄にしてはいけない。
・勝利に浮かれているうちに、次の戦いは始まっている。
・うさぎとカメ
・塞翁が馬
・好景気の時より、災難の時の方が、人々は将来のために協力できる(しなければならない)。
9月29日
「もし不正と確かに知りつつ、自国の政策を弁護するとすれば、じつは国に仕えているのでなくて、自分の国を誤りと不義の中に放りこんでいるのである。」(新渡戸稲造『編集余録』)
・愛国心のある人ほど、自国の良し悪しもわかっている。
・盲目の愛国心は、真の愛国心ではない。
・自分がきちんとした行動をとることが、国家のためにもなる。
9月28日
「周囲に多くの人を有する者は、ことさら心掛けて小事は人の意に任せて、己は受け身になっておるにしかず、己の大体の目的に妨げなき限りは、一歩も二歩も人に譲りて、他人の意思に適うことを努むるこそ、円満の性格を養うの道である。」(新渡戸稲造『人生読本』)
・大同小異
・譲れることは譲る、とは日本の謙譲の美徳。お正月飾りにゆずをつけるのは、「ゆずる」文化を示したもの。
・個性豊かな多様な人々をまとめるのは難しい。その秘訣が上記の新渡戸の言葉。
9月27日
「古くからやっているものは時間の試験を受けたのである。どこか信ずるに足る渋味があり、さびがあって、ぎらぎらした服をまとう門番を見るような感じがしない。」(新渡戸稲造『西洋の事情と思想』)
・ベーコンは述べた。「焚くなら古い薪、飲むなら古い葡萄酒、信用するなら古い友達、読むなら古い本」(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』286頁参照)。
・「時間の試験」に合格したものだけが、クラシックないし古典として長く生き続ける。流行は、一世風靡しても廃れる。「流行」とは、流れ行くと書く。
・温故知新(古きを大切にして新しきを知る)
・ぎらぎらした豪華なものに目を奪われるより、渋味、わびさびを知ってこそ、本物がわかる。
9月26日
「オーモニエという新聞記者が文明を説いて“文化開明と称するものは、個人が他人の障がいとならぬ範囲において、己の欲するところに従えども矩を超えぬことにして、国民が各自相互に共栄共存することなり”と論じた。」(新渡戸稲造『偉人群像』)
・新渡戸は、国民が互いに共存共栄している国として北欧諸国を挙げた。スウェーデンとフィンランドのオーランド諸島問題では、新渡戸も国際連盟事務次長として、その解決に一躍担った(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』285頁参照)。
・「己(心)の欲するところに従えども矩を超(踰)えず」とは、孔子が、70歳にして到達する境地を語ったものである。文明人とは、そういう人生の経験を積んだ人達のことを指すのかもしれない。
(参考)
「子曰わく、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。」
(英訳)
Confucius said, “I aspired after study when I was 15. I became independent at
30. I threw away my hesitation at 40. I understood my duty of life at 50. I
became able to listen to other people’s words without prejudice at 60. I became
able not to be contrary to morals even though I follow my desire, at 70.”
(https://blog.mage8.com/rongo-02-04)
・文明とは、物質的価値ではなく、社会を構成する人達の行動様式である。
・人に迷惑をかけないこと、それが文明人の第一歩である。
9月25日
「試練はたしかに人格の下底に、何者も与えあたわざるある力を賦与する。」(新渡戸稲造『偉人群像』)
・苦労は最高の教育。
・可愛い子には旅させよ。
・Spare the rod and
spoil the child.(鞭を惜しめば子供は駄目になる)
・獅子の子落とし。
・苦労なきもの、力もない。
・底力は、いざと言う時に試される。
9月24日
「偉人と称するのは、人心もしくは世相に変化をきたす力の持ち主のことである。しかしてその変化は、疾風迅雷的のものもあれば、また、石を穿(うが)つ水のしずくのごときものもある。」(新渡戸稲造『偉人群像』)
・早い変化をもたらす偉人もいれば、ゆっくりした変化をもたらす偉人もいる。あなたは、どんな偉人になりたいですか。
・新渡戸は、偉人を3つのタイプに分けた。1つ目は、気体型。名声は広がっていても大したことない人。2つ目は液体型。流行のように短期的に大人気となる人。3つ目は固体型。地味だが含蓄のある本物の偉人。新渡戸は、国際連盟事務次長として、小国の代表でも、国益のために一生懸命働く姿に、それを見た(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』283頁参照)。
・It is great to be
great, but it is greater to be humane.
・偉人と一言で言っても、多種多様。自分の好きな偉人を倣って努力してみよう。
・新渡戸稲造は人のことをよく褒める。そんな彼自身が、実は偉人。
9月22日
「社会的腐敗のさ中、利休は自然に帰れ、表裏のない自然に、平和な自然に、美しい自然に帰れと国民に訴えた。彼の模範的な茶室がなんの装飾もない草庵に過ぎなかったのも、このためであった。」(新渡戸稲造『日本人の特質と外来の影響』)
・Simple is best.
・「誠實自然」(李登輝総統の座右の銘)
・新渡戸稲造(Nitobe
Inazo)の『武士道(Bushido)』(原文英語)の「礼儀」(Politeness)の章には、茶道や日本の質素な部屋等について書かれている。
・西洋の煌びやかな装飾を施したお城に比べ、日本の宮殿(皇居、御所)は質素で殺風景である。
・日本の文化は、「空」や「間」を大切にする。そこには風が通り、気が入り、光が通る。
・自然を克服する(conquer)のではなく、自然と共存しようとする日本人。
・自然とは、自分、然り と書く。繕うことなく、ありのままのこと。
・日本人の信仰は、自然に神あり。
・自然への畏敬の念。自然を大切にする心。
9月21日
「襟度すなわち自己の説と希望とに全然反しなくとも、多少融合しない点ある説をも取りいれる心の態度を国際心と名づけたい。…調和融合を図るところに世界の平和、人類の真の幸福があると信ぜらる。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・異文化理解の重要性。東洋と西洋は対立するものではなく、「相触れ合う」というのが新渡戸の考えであろう。
・Nothing better,
nothing worth, just only difference.
・外国語が上手とか、外国に長く住んでいるから国際人になるわけではない。寛大な心を持つ人こそ、真の国際人である。
・調和や融合によって、平和や幸福が生まれる。
9月20日
「民衆がその権力を得んと欲せば、権利を主張せんより、自己に対する義務すなわち自己及び自己の属する階級の徳育・知育の発展に努むることをもってその前提とすべきであろう。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・民主主義(Democracy)の重要な土台は、徳育・知育。これがしっかりしていれば、ヒトラーは生まれなかったはず。
・経済的利益、物質的価値より、精神的価値が、平和にとっては大事。(藤井茂・長本裕子『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』279頁)
・教育は未来への投資。 Education
is an investment in the future.
・権利には必ず義務が伴う。
You have a right, at
the same time, you have an obligation.
9月19日
「人の性質を批評し判断するには、その人の油断している時、世人と没交渉である時、あるいは測らざる出来事が起こった時をもって最も適当とする。…これによって、その人の値打ちは分かる。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・人は見かけだけでは分からない。裸の付き合いをしてみる。難題を与えてみる。そして、危機が起きた時、その人の本性が表れることが多い。
・A friend in need
is a friend indeed. (困った時の友こそ真の友)
・自分が景気の良い時に寄ってくる人より、自分が大変な時に真に思ってくれる人を大切にせよ。
9月18日
「我々人類の眼が前に付いている限り、希望、信仰、創造の霊覚、妙智をもって将来を瞥見(べっけん)すれば、古人も『和をもって貴しとす』と述べた理想が必ず実現されるであろう。」(新渡戸稲造、『東西相触れて』)
・新渡戸の理想主義、楽観主義は、物事を前に進めた。その具体例が知的協力委員会の成功や国境紛争の平和的解決である。
・「できない」、「無理」、「やらない」では何事も解決しない。まずやってみる。試行錯誤する。やるだけやって待ってみる。何かが動く。
・神様は人の顔の前面に目を2つ付けた。よく見て前に進むように。耳を両脇に2つ付けた。四方八方の音をよく聞くように。顔の下の方に口を1つ付けた。見聞したことを咀嚼して言葉を発するように。でも言いすぎないように。
・「和」は、平和の和。「大和の国」とは、平和で満たされた国。理想郷。
・「大和心」とは、平和で満たされた心。
9月17日
「外に出て見ると、最新流行の晴れやかなる衣装の紳士、貴婦人、淑女の行列するがごとく行くに逢う。して、己の姿はと鏡に写して恥ずかしく思わば、思いかえして考えよ。着物も人にあらず、皮も人にあらず、ただ心のみ人なることを。」(新渡戸稲造『一日一言』)
・昭和演歌(1966昭和41)にも、「ぼろは着てても心の錦 どんな花よりきれいだぜ…」(いっぽんどっこの唄)とある。
・「花がきれいに見えるのは、あなたの心がきれいだから…」(相田みつを)
・「内面を写す鏡は本人以外の人が持っている。良き友よ」
・倉敷の隣町(玉島)に円通寺という寺があり、かつて良寛和尚という方が修行で滞在されていた。高僧との噂を聞きつけた村人の招きに応じた際、質素な袈裟を着て(乞食僧みたいな恰好で)訪れたところ、「誰だお前は。しっし」と追い返され、次いで高僧然とした袈裟に着替えて訪れたところ招き入れられ、「あなた方が招いたのは私ではなく、この袈裟のようですね」ときらびやかな袈裟を脱ぎおき帰ってしまったという逸話が残っている。倉敷の小学生は皆、この話を道徳教育で聞かされていた。
・質素倹約。質実剛健。
・たとえ衣は質素でも、気高く、誇りを持って生きよ。
・カーライルの「衣装哲学」のごとく、本質は目に見えないところにある。
・♪本当に大事なものは、隠れて見えない。♪(いのちの歌、竹内まりや)
・ある人がルイ・ヴィトンのお財布から100円のお賽銭を出したら、あなたは堂々と100円ショップのお財布から1万円の寄付をすれば良い。
・汚れた流行の服を着るよりは、古風でも清潔なものを身に付けよ。
・一見地味でも価値のあるもの、一見豪華でも価値のないもの。
・心がきれいで強い人は、何も恐れるものはない。その姿は、服そのものでなく、雰囲気に表われる。
9月16日
「見たところ背の低い、見栄えのしない人で、衣服にはほとんど無頓着のごとく、いつも喪服のごとき黒色の衣装をつけ…常に黒色の眼鏡をかけているので…初めて夫人に逢うたときの印象は、はなはだ面白くない。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・上記は新渡戸がキュリー夫人について書いたものである。そのキュリー夫人を、新渡戸は国際連盟の知的協力委員会の委員にすべく説得し、会合ではアインシュタインの隣の席にした。知的協力員会は成功し、新渡戸は両ノーベル受賞者とも親交を深めた(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』275頁参照)。
・人は見かけによらない。
・第一印象は大事。一方、第一印象だけで判断してもいけない。
・質実剛健。
・質素でも価値のあるもの。豪華でも価値のないもの。
・化粧とは化けること。化けても良いが、化かされるな。
9月15日
「“Speech is
silvern : Silence is golden.”言語は人に交わるの法、無言は神に親しむの道、国語は国境に限る、沈黙は世界に通ず。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・沈黙は金。沈黙は世界共通の普遍的言葉。
・世界どこでも、追悼や感謝の祈りの時に黙祷する。
・「黙祷」(one minute
of silence)と言うと、出席者全員の心が一つになれる。
・「静かにすべき所」として、子供たちは図書館と教会(寺院等)と躾けられる。一つは「知」との対話、もう一つは「神」(仏等)との対話をする所。
・瞑想、座禅、祈り、沈黙は、神との対話でもあるが、自分との対話でもある。
・沈黙の声。これほど心に響くものはない。耳を傾けてみよう。
・沈黙の力。Silence is
Power. どんな怒鳴り声より強い。
9月14日
「我輩は“他人に犠牲を求めずして理想を実現する”というこの一句に最大の重点をおきたい。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・ノブレス・オブリージュ(Noblesse
Oblige.)
・理想の実現は生易しいことではない。だからこそ自己犠牲の精神が必要。
9月13日
「同じ言葉を用いて相互の思想が疎通しえたなら、世界はいかに幸福であろう。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・人を助けるために眼科医になったザメンホフは、ポーランドの村内での対立原因が言語の問題だったことを発見し、エスペラント語(「希望の語」という意味)を考案した(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』272頁参照)。一時は世界共通語となるかとも言われたエスペラント語だが、そうはならなかった。人々が日常的に使用している言語ではなく、人工的な言語だからだろうか。それでも、新渡戸は、ザメンホフの「希望の語」の考案理由に共感している。例えば、現在の世界共通語である英語は、ある人の母国語であり、他の人にとっては外国語である。これでは、ある種、不公平が生じてしまう(実際、現代でも、国際機関で共通ルールを作成する場合、結局、言語的意味を英語を母国語とする人に確認しているらしい)。新渡戸やザメンホフが、世界皆が母国語とは別の共通語を学ぶことの公平性に、希望を見出していたとしても不思議ではない。
・国際交流は、相互理解も生むが、相互の誤解も招く。
・「隣人愛」というが、隣人ほど仲が悪いことが多いので、より隣人愛を語ることが必要。
・言語や国籍、民族、宗教等関係なく、同じ分野の専門家の間には共通言語、共通意識がああり、言葉が通じなくてもコミュニケーションできる(通訳する前に通じていることが多い)。
・人とのコミュニケーションは言語ばかりではない、ジェスチャー、表情、歌、絵、そして心である。
・音楽は、世界普遍の共通言語の1つである。
・沈黙も一つの言葉。「黙祷」(one
minute of silence)は世界共通。
・笑顔は人々を幸せにするコミュニケーション・ツール。
・「ありがとう」(Thank
you,Merci)は魔法の言葉。
9月12日
「民衆がその権力を得んと欲せば、権利を主張せんより自己に対する義務すなわち自己および自己の属する階級の徳育、知育の発展に努むることをもって、その前提とすべきであろう。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・権力者ほど、権利より義務を徹底せよ。公僕、ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)、武士道精神。
・国の発展は教育にあり。徳育、知育、体育。徳が最初。
・自己犠牲の精神の強い者こそ権力者たれ。そういう権力者のもとの民は幸せである。「徳による統治」
・プラトンが説く理想国家は、哲学者が治める善の政治。
9月11日
「吾輩は弁舌なるものの力は舌の先の芸でなく、演者の人格にありと確信していたが、近来のいわゆる雄弁家なるものを見て、ますますこの感を強くした。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・新渡戸の時代は、ヒトラーが登場する前。その時代は人格者の雄弁家が多かったのだろう。新渡戸が演説をたくさん聴いた国際連盟には、そうした人々が多く、新渡戸も感銘を受けたらしい。
・新渡戸の「雄弁」、「弁士」の意味は、単に言葉が巧みというものではなく、人を感動させる内容を意味するのだろう。
・演説には、演者の雰囲気、人柄が表れる。
9月10日
「エロキューション(elocution)は技芸である。真に聴く者を動かす弁は、エロクェンス(eloquence)である。しかしてウェブスターは真のエロクェンスは実行なりと力説したが、彼の実行というは人の全人格を徹底した確信の謂(いい)である。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・雄弁より実行を。
・言うは易し、行うは難し。
・不言実行、有言実行。実行あるのみ。
・言葉に惑わされるな。行いを見よ。
・実行とは、実のある行為と書く。
9月9日
「いろいろの会合で書記長とか事務長とか…みな初めは堂々たる国際心を吐露するが、…いやしくも自国の利害に関すると、すぐ偏狭な愛国者の馬脚をあらわすが、ひとりドラモンドだけが飽くまでも公平を保つのは見上げたものだ。」(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・ドラモンドとは、新渡戸が国際連盟事務次長を務めていた時の事務総長の名前である。彼の英国紳士ぶりを新渡戸も尊敬し、見習っていた。(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』268頁参照)新渡戸自身は、日本人の良さ、武士道精神を国際社会において見せてきたのだと思う。そして、国際連盟職員の人気投票で、新渡戸は1位だったそうだ。
・ある時、新しく国際連盟で働くことになった日本人が、新渡戸の所に挨拶に来て、「どのように国連で働けば良いですか。」と尋ねた。新渡戸は、「国連は働くところではない、日本を見せる所である。」と答えたそうだ(2020年2月12日藤井茂(財)新渡戸基金理事長のお話より)。
・公平とは、公の平和と書く。指導者が公平な人なら、社会は平和になる。
・公平とは何かを考え、人類共通の理念や普遍的価値を求める者が、国際機関のトップに就くことが望ましい。
・私利私欲のない人は、人々をまとめることが出来、大仕事を達成できる。
・国際機関にとって大切なのは、人類共通の利益を増大させること。
・何事にも公平であることは難しいが、公平である者は、何人も幸せにする。
9月8日
「あるいは東、あるいは西といえば、いかにも両者の間に懸隔あるように聞こゆる。…少し高き見地より窺えば、いずれも反対の観念を示すものでなくして、むしろ両者の間に共通点あることを教うるものと思う。(新渡戸稲造『東西相触れて』)
・相違点より共通点を見出すことで、対立より平和が生まれる。
・普遍的価値は、東と西を結びつける。
・東と西の真ん中に立ってみる。一体、どっちに属するの?
・Nothing better,
nothing worse, just only difference.
・東があるから西がある。西があるから東がある。
9月7日
「愛は愛する心の働きである。それは内から溢れ出るものであって、外から押しつけられる義務ではない。愛は自発的であって、どんな根拠からでも、どんな償いのためにでも、要求するわけにはいかない。」(新渡戸稲造『編集余禄』)
・内から溢れ出る愛、それは無限であり、永遠である。
・愛は、要求されるものでもなければ、要求するものでもない。
・愛、心臓、心、みんなハート💛である。見えないけれど、一番大事。
・愛という漢字の中に、心が見える。
・愛はいくら与えても与えすぎることはないし、いくらもらってももらいすぎることはない。
・True love comes from God.
・‘Sometimes the heart sees what is invisible to the eye. ’(H. Jackson Brown, Jr.)
(目では見えないものが、心で見えることがある。) (心眼は、実際の目以上に、ものが見える。)
・‘Love is a force more formidable
than any other. It is invisible - it cannot be seen or measured, yet it is
powerful enough to transform you in a moment, and offer you more joy than any
material possession could. ’(Barbara De Angelis)
(愛には、どんなものよりも素晴らしい力がある。愛は見えないし計れないかもしれないが、愛には、あなたを一瞬で変えてしまう力がある。それに、愛は、いかなる物よりも、あなたを幸福にする力がある。)
9月6日
「慈善をしたと思うは大の過(あやまち)。真の慈善は布施者の自覚にのぼらぬ。当人の知らぬ所に慈愛がある。知りて施せば、もはや慈善でないのみならず、怨(うらみ)を受くるもととなる。」(新渡戸稲造『一日一言』)
・「やってやった」と言われると、いくら有難いことでも、有難うと言いたくなくなる。
・無理なく自然に善行ができる人が、本当の善人。でも、本人は、それが普通で当たり前だから、別に良いことをしたとは思っていない。
・「蔭なが応援」、「縁の下の力持ち」、人は見えない所で支えられている。
・巨額の寄付を名も告げずにして去っていった人。格好いい。
・自慢話は自己満足にすぎないのかもしれない。
9月5日
「目下の者に荒々しく物言うをもって威光とするは豺狼(さいろう)の社会と知れ。古人も威(たけ)くあって猛(たけ)からずと教えたり。怒鳴りは動物のど音、威厳は優しき声に現る。(新渡戸稲造『一日一言』)
・‘Be strong, but be kind.’(強く、しかし優しく) 新型コロナウィルス対応で感染拡大を上手く阻止したニュージーランドのJacinda
Ardern首相がよく口にした言葉。
・頭の良い人ほど分かりやすい文章が書けると同様、本当に偉い人ほど誰にでも親切にできる。頭脳にも心にも余裕があるということ。
・威厳というのは自ら示すものではなく、自然と表れるものである。
・目に見えない強さが真の強さである。
・強さに裏打ちされた優しさが本当の優しさ。
・叱られるより、笑顔で「いいよ」と言われる方が、申し訳ない気持ちが強くなる。
・沈黙の力。
9月4日
「社会のありのまま、…たとえ出来上がったものがいかに醜くも、いかに脆くも、実際存在する現象を種として、社会を治むるこそ政治というべきものである。」(新渡戸稲造「現在世相に関する一、二の所感」)
・上記は、新渡戸が「生きた政治」について語ったものである。その際、エドモンド・バークの引用をした。「いやしくも生きた政治を論ずる者は、いたずらに高尚なる言論や理想的なる議論をもって説くべきものではなく、国民の実生活のありのままを観破して初めて解き得るものである」(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』263頁参照)。
・「現実、現場、現物」という本田宗一郎の言葉を思い出した。
・政治は理想より現実。こうあるべきの理論を翳す(かざす)前に、まず、統治の対象である国民(人民、市民、住民)の生活、社会をありのままに見つめ、何を改善すべきか、何を政治がすべきかを考える。そうすると自然に具体的政策が浮かびあがるのだろう。
・新渡戸稲造の『武士道』を愛読書の一つとされた李登輝元台湾総統は、台湾全土を回り、農民始め人々と対話を続けた。政治のあるべき姿の一例だろう。
・新渡戸は、東京帝国大学で、植民政策の講義もしたという。その根底にも、まず現地の人々の生活社会ありきの考えがあったのかもしれない。それは、あるべき日本の姿の押し付けとは異なるだろう。
・自分の理想を人に押し付けるのではなく、まず相手を理解する。そうすると政治も上手く行くのかもしれない。
9月3日
「せねばならぬ勤めならば、気軽く潔くすべし。何事も心地よく手をくだせば、よくはかどりてかつ身の疲労少なし。いやと思えば思うほど神経をいため、億劫にすればするほど重みを増す。」(新渡戸稲造『一日一言』)
・何事も気持ち次第。どうせやらなければならない仕事なら、楽しくしよう。すると重荷も軽くなり、苦も楽になる。
・頼み事をすると、「えー、またですかあ。」と言いながらやってくれる人と、「はい、承知しました。」と笑顔でやってくれる人がいる。どちらも有難いが、どうせやるなら後者の方がお得である。
・ストレスのない仕事など少ない。でも、自分でストレス・フリーにしてしまえ。歌を歌ってしまったり(声に出せなければ心や頭の中でも)、仕事後の楽しいことを想像したり……。心や頭はフリー(自由)である。
・時間はあるのではなく、作るもの。We do not have time, but
we make it.
・頑張りすぎなくて良い。創意工夫してみる。そうすると窮屈から抜け出せる。
・Enjoy yourself! Enjoy studing, enjoy playing,
enjoy working, enjoy eating, enjoy everything! Enjoy your life.
9月2日
「私はあるアメリカ人に向かてて、なぜお前の国はこの連盟に入らないかと言ったところ、…曰く戦争なんかというものは…止まることのないものだ、かつ進歩はみな戦争によるものだ…こういうことを言った。」(新渡戸稲造「国際連盟の組織と活動」)
・戦争はなくならないと言うのは、弱肉強食の社会で、その通りかもしれない。でも、戦争というものがなくならなくても、戦争の少なくすること、食い止めることは可能である。新渡戸は、国連事務次長として、国境紛争の解決を行ったり、アインシュタイン、キュリー夫人、ベルグソン等の有識者を集め知恵を拝借したりして、平和維持に貢献した。
・戦争によって進歩がもたらされるからと言って、戦争は肯定されて良いものではない。戦争によって破壊が進み、進歩が遅れることもある。むしろ、その方が多いのではないか。戦争は、単に進歩の実験場にすぎない。
・戦争がなくならないからと言って何もしなくて良いわけではない。自然災害でも同様である。自然災害がなくなることはないが、被害を最小限度にするために、気象情報などの技術が発達したり、避難訓練をしたりする。戦争は人間が起こすもの。人の意思があれば回避は可能であるし、停戦も可能である。
・平和という理想を掲げることで、人々は、どうやったらそれに到達できるかを考え努力する。最初から、戦争を掲げてしまえば、人々は、戦争の仕方ばかり考えてしまう。
・‘World peace begins with inner peace. ’(14th Dalai Lama)
・‘When you make peace with yourself, you
make peace with the world.’ (Maha Ghosananda)
・‘I do not want the peace that passeth
understanding. I want the understanding that bringeth the peace.’ (Helen
Keller)
・‘When the power of love overcomes the love
of power, the world will know peace.’
(Jimi
Hendrix)
9月1日
「我々に狙うべきものは、実世界以上の高い所にあるものを選んで、なすべきものと思う。昔より俗諺(ぞくげん)にいうごとく、天に登らんとしてようよう屋根に登るごときものである。」(新渡戸稲造『人生読本』)
・目標は高く持て、そしてそれに向かって努力せよ。
・夢がなければ、何事も始まらない。
・高きを求めて努力すれば、たとえ目標に到達せずとも、相当の所までは到達する。
・国際連盟事務次長として、平和の実現を目指した新渡戸。難しい目標でも、初めから諦めてしまっては、何にもならない。出来ないと決めつけないで、まず行動してみよう。
・核廃絶、無理かもしれないけれど掲げてみる。そうすると、軍縮の機運は高まるし、核戦争は起きにくい。
・皆、金メダルを目指す。そして、たまたま銀か銅か、取れないこともある。でも、まずは掲げてみる。
・目標に向かってする努力。報われないことはあっても、無駄にはならない。
・夢は大きく、根は深く。
・理想は高く、行動は現実的に。
・Think globally, Act locally.
・どんな大きな夢や理想を掲げようと、そうする自由は誰も邪魔できない。
・目標、高すぎたかなと思っても、努力してやってみよう。意外と目標に到達して、新しい自分を見つけられるかも。(だから、偏差値なんか気にするな。)
・目標が高すぎて、失敗したり挫折しそうになったりしたら、やり直せば良い。目標を設定し直しても良い。低い目標から、だんだん上げて行っても良い。
・ナポレオンが、「私の辞書には不可能という言葉はない。」と言ったという話は有名だが、今でも、フランス語では、「できない」(il est impossible)とは言わず、「難しい」(il est
difficile)と言う。
NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、 新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、 岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。 ・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。 ・また、第1回の補講を、ご希望のより開...