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2020年10月31日土曜日

新渡戸稲造の至言から(10月31日)

 

1031

「僕は青年子女にこそ格別入念に何か話をして聞かせておく必要があると思う。青年たちは必ず、僕の言うことをたとえ一言なり一言なり小耳にはさんでいてくれる。それが後日、何らかの発奮立志の動機ともなるものであるから…」(『新渡戸博士追憶集』)

 

・「青年よ、大志を抱け」 ‘Boys (& Girls), Be Ambitious!’

 

・「青年と心を結び合える者は真に偉大なり」(イプセン)(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』322頁参照)。

 

・教育は未来への投資。

 

・基礎力、発想力、判断力が教育の真髄(松岡裕子参照)

 

・理解できないかもしれない子供たちにも、何でも教えよう。小耳に挟んで、潜在意識に記憶され、将来、発奮立志するかもしれない。

 

・「門前の小僧、習わぬお経」

 

・柔軟な若き頭脳は何でも吸収する。

 

・昨日出来なかった事が今日出来る。それが成長、発展である。

 

・「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人」

 

・子供や年下、部下だからといい加減に対応するな。年上、上司同様、丁寧に対応せよ。より敏感で、手をかけた以上の効果があるのは、前者である。

 

・若き人に語ったことは、長く続く。老人に語っても、すぐ忘れる。

 

2020年10月30日金曜日

新渡戸稲造の至言から(10月30日)

 

1030

「西洋人と東洋人とを較べると、概して西洋人は理性に富んでいる。東洋人は、理性よりも、むしろ直感的な心的能力を持っている。」(新渡戸稲造『西洋の事情と思想』)

 

・西洋の理性と東洋の直観力、これらの結合が理想的である(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』321頁参照)。

 

・日本人の知覚力の表現である日本画や浮世絵がゴッホやモネに影響を与えたジャポニズム。東西融合の素晴らしき芸術である。

 

The West can teach the East how to get a living, but the East must eventually be asked to show the West how to live. Tehyi Hsieh

 

・西洋の「正義」と、東洋の「義」。

 

・西洋の結果主義と、東洋の経過重視。

 

・西洋の科学的論理思考と、東洋の穏かな心情。

 

・東西融合は、人類にとって悪いことではない。

2020年10月29日木曜日

新渡戸稲造の至言から(10月29日)

 1029

「アングロサクソン及びチュートン人種は、セルフということに重きをおき、セルフ・レスペクト(自己尊重)の心持ちが非常に発達している。これに反しラテン人種、殊に東洋人種は、いわゆるコンミュナル、共存性が非常に発達している。」(新渡戸稲造『西洋の事情と思想』)

 

・新渡戸は、西洋的独立性も東洋的共存性もそれぞれ大切だと説く。それらの中道を取ったり、それぞれを組み合わせたりして問題を解決して行く(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』320頁参照)。

 

・西洋のキリスト教は神と個人とのつながりなのに対し、日本の神道は村のお祭り等集団活動で共存性が高い(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』320頁参照)。

 

・個性を生かした共存共栄。

 

・自己主張と自己尊重は違う。

 

・地域への帰属意識が共同体を作る。

 

・西洋は個性と独立心を、東洋は協調性や同調性を重んじる。教育ではどちらも大事。

2020年10月28日水曜日

新渡戸稲造の至言から(10月28日)

 1028

「勇気は義の為に行れるのでなければ、徳の中に数えられるにほとんど値しない。孔子は…消極的に勇の定義を下して、“義を見て為さざるは勇無きなり”と説いた。この格言を積極的に言い直せば、“勇とは義(ただ)しき事を為すことなり”である。」(新渡戸稲造『武士道』)

 

・新渡戸は、国際会議で中国人が日本を侮辱する発言をした時、堂々と抗議した。これを「義しき勇気」という(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』319頁参照)。

 

・武士道は日本の1つの価値体系であると新渡戸は述べ、その中でも、特に「義」(Rectitude)を中心的な徳と位置付けた。勇は義のため、義は勇にあり。

 

・‘Among wellborn spirits courage does not depend on age. Pierre Corneille

・‘Courage is like love, it must have hope to nourish it.’ (Napoleon Bonaparte)

 

・‘Courage is almost a contradiction in terms. It means a strong desire to live, taking the form of a readiness to die. ’(Gilbert K. ChestertonSource: https://proverbicals.com/courage

2020年10月27日火曜日

新渡戸稲造の至言から(10月27日)

 

1027                                             

「人間は“国家”より大である。人間は自分の内に、この世の国や“国家”の一切の主張を超越するものをもっている。人間の無限の魂を、国家の限られた枠組みの中へ閉じこめることはできない。」(新渡戸稲造『日本』)

 

・「国家よりも先に人間があり、人格ある人間によってこそ国家は造られていくべきだ」(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』318頁)。

 

・国家が人を造るのではなく、人が国家を造るのである。

 

・人が歴史を作る。

 

・人の一生は限りがあるが、その魂は永遠に生きる。

 

・国家には枠組みがあるが、人の思想は無限に広がる。

 

・国家は法や秩序で人を縛るが、人の心の内は常に自由である。

 

2020年10月26日月曜日

新渡戸稲造の至言から(10月26日)

 

1026

「いつの日か、医者の仕事はまったく隠れた底流活動となるであろう。…科学的健康管理が進歩するにつれて、劇的な治療とか奇蹟的治癒が必要な機会は減るので、それらを耳にすることもなくなるだろう。」(新渡戸稲造『編集余録』)

 

・医者という職業は、病人が減ると儲からなくなってしまうが、本来の目的が病気を治す、すなわち病人を減らすことである。新渡戸はそれを「隠れた底流活動」と言った(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』317頁参照)。

 

・医者の不養生。

 

・柿が赤くなると、医者が青くなる。

One apple a day keeps doctors away.

 

・‘A doctor’s mission should be not to preovent from death, but also to improve quality of life.’ (映画 ‘Patch Adams’)

 

2020年10月25日日曜日

新渡戸稲造の至言から(10月25日)

 

10月25日

「田舎は、人間をも含めて原料の供給地である。その原料は、、都会で立派に彫り刻まれ、磨きをかけられるが、素材は田舎で作られるのである。」(新渡戸稲造『編集余録』)

 

・「自然と、また自己自身の自我と交わることこそ、性格の強さを育てる学校である」(新渡戸稲造『編集余録』)(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』316頁参照)。

 

・教育の原点は、自然の豊富な田舎にある。

 

・多種多様な人材は、多種多様な土地柄から生まれる。

 

・気候や自然等の地理は、民族や住民の性格に大きな影響を与える。

 

・災害大国の日本は、不屈の精神、思いやりの心等を育てる。

2020年10月24日土曜日

新渡戸稲造の至言から(10月24日)

 

1024

「一小紙片でもないほうがよろしい。持つと、それに束縛されていけない。」(新渡戸稲造、『新渡戸博士追憶集』)

 

・上記は、新渡戸が講演をする時の流儀らしい。講演をしに行く道中で弟子に演題を聞き、構成を考える。それほど、新渡戸の知識は豊富だった(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』315頁参照)。

 

・スピーチは音読ではない。

 

・聴衆に語りかける演説は、演者が聴衆を見、聴衆も演者を見る。

 

Music which makes you sleepy is not bad, speech which makes you sleepy is not good.

 

・ジェスチャー、音調、内容、簡潔さ、全ての表現がスピーチの良し悪しを決める。

 

・演説の仕方は、場所、対象、テーマ、人数等によって変わってくる。

 

・束縛されない自由な演説は、自由な気持ちで聞ける。

 

2020年10月23日金曜日

新渡戸稲造の至言から(10月23日)

 

1023

「教育の多くは、ある決まり文句を機械的にくりかえすことであって、その意味については、若い魂は何一つわかっていないのである。」(新渡戸稲造、『編集余録』)

 

・新渡戸は、単なる暗記の教育よりも、考えさせる理性の教育を重視した(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』314頁参照)。

 

・なぜ、なぜを突き詰めると、真実が見えてくる。発見がある。

 

・ソクラテスは弟子たちに、質問攻めにして、自ら答えを考えさせた。最初から自分の答えを与えて、こうであるとは断定しない。

 

・「人間は考える葦である。」(パスカル)考えることを失った人間は、もはや人間ではなくロボットだ。

 

・単なる暗記は十人一色。創造的答えは、十人十色。

 

・分かり易い教師の説明より、考えさせる教師の方が良い。

2020年10月22日木曜日

新渡戸稲造の至言から(10月22日)

 

1022

「より大きな贈り物や一般的な恵みに対して感謝を覚えることは、そんなにたやすくなない――法と秩序、良い天候、豊かな収穫、世界平和と国際礼譲とかに対して。」(新渡戸稲造、『編集余録』)

 

・新渡戸が上記の言葉を述べた背景には、世界で平和が危ぶまれ、日本では治安が悪化したことがあった(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』313頁参照)。1929年の世界恐慌、そして1930年代のヒトラー政権の誕生や日本での軍部台頭等、暗雲が立ち込めていたのだろう。

 

・平和や当たり前の生活は、空気のようなもの。なくなった時、その大切さに気付く。

 

・無事に感謝。

 

・個人的幸福より、皆の幸福に感謝。すると自分もより幸福になれる。

 

・命の源、五穀豊穣に感謝。

 

・当たり前のことを当たり前に出来る毎日に感謝。

 

・社会の安定と国際平和、そして自然の恵みに有難う。

 

・本当に感謝すべき対象は、意外と見えないものが多い。つかめないものが多い。でも、感じることができるもの。

 

・「有難う」は口に出して言うもの。深い感謝は心の底で祈るもの。

2020年10月21日水曜日

新渡戸稲造の至言から(10月21日)

 

1021

「道徳的均衡―“黄金の中庸”-こそ“神性”の達得である。自由と抑制、道徳的世界における“為せ”と“為すな”は、自然界における求心力と遠心力のように、平衡を保つように働く。」(新渡戸稲造、『編集余録』)

 

・中庸とはバランスを保つこと。とかく極端と極端がもてはやされるポピュリズムの横行する現代、単純で面白くないかもしれない「中庸」(中道)が大事である。

 

・ギリシャの神殿の入り口に「何事も度を超すなかれ」と刻まれているし、論語には「中庸」の教えがある。新渡戸は、「『中庸』こそ古今東西に通じる徳である」と説いた(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』312頁参照)。

 

・井戸の水を汲む時、その量が多すぎても、少なすぎても汲めない。

 

・バランスを保つことは容易ではないが、それが出来れば、長く立っていることも出来るし、よろけたり倒れたりすることもない。


2020年10月20日火曜日

新渡戸稲造の至言から(10月20日)

 

10月20日

「愛国心の反対は、国際心や四海同胞心ではなくて、狂信的愛国主義である。…真の愛国者にして国際心の持ち主とは、自国と自国民の偉大とその使命とを信じ、かつ自分の国は人類の平和と福祉に貢献しうると信じる人である。」(新渡戸稲造、『編集余録』)

 

・「真の国際精神は、愛国の精神を含み、真の愛国の精神はまた国際精神を含むものである。」(新渡戸稲造)(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』311頁参照)

 

・真の愛国者こそ、真の国際人。

 

・自国を愛せなければ、他国も世界も愛せない。

 

・‘I for Japan, Japan for the World, The World for Christ, And All for God.’ (Uchimura Kanzo)

 

・「愛国禁酒」(Temperance and Patriotism (内村鑑三、K.U.)

 

・真の愛国者こそ、国際平和に貢献できる。

2020年10月19日月曜日

新渡戸稲造の至言から(10月19日)

 

1019

「老年は青年一人ひとりの未来に在るのだ。私は青年を私の後継者と見る。そして彼の未来を思いえがく。その未来が現在より新しいとすれば、私は彼よりも新しいのだ。このようにして人生の大円は結ばれる。」(新渡戸稲造、『編集余録』)

 

・新渡戸が青年たちに語ったことは、語学はもとより人格を高め、国際舞台で影響を与えられる日本人になってほしい、ということだった(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』310頁参照)。

 

・老人には青年にない経験がある(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』310頁参照)。

 

・老人から青年に未来のバトンが渡される。

 

・人から人へ何かが継承される時、歴史は形成される。

 

・白洲次郎から青年たちへのメッセージ。勇気を持て。こんな事を言ったら損をすると考えるのではなく、思うところを率直に言う勇気を持て。

2020年10月18日日曜日

新渡戸稲造の至言から(10月18日)

 

1018

「我々の系図の中に朝鮮人や支那(中国)人の入っているのを、むしろ誇りとする時代がくるであろう。しかして極東民族の間に親密を保つ情愛も今日より一層深くなるべき理由も新たに発見さるるであろう。」(新渡戸稲造、『東西相触れて』)

 

・新渡戸は、ドイツのゲルマン民族優勢理論を批判していたようだ(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』309頁参照)。一方、大和民族を誇りに思いながらも、驕ることはなかった。ただ、ある時、ある中国人が、根拠のない日本(人)批判をした時、真剣に怒ったそうだ。

 

・「世界は一つ、人類はみな兄弟。」

 

・どの民族にも良い所もあれば、悪い所もある。

 

・民族優勢主義を掲げて、他民族を弾圧することがあってはならない。

 

・新渡戸の思想には、「大東亜共栄圏」や「八紘一宇」の先駆けがあったのか。

2020年10月17日土曜日

新渡戸稲造の至言から(10月17日)

 

1017

「日本村という狭い小さい村の中では、大臣は村長のごとく尊まれているが、一歩国を出て海を越え世界の広大な所に出れば、大臣も村長も内国で思うほどには思われておらぬ。」(新渡戸稲造『修養』)

 

・井の中の蛙、大海を知らず。

 

・島国から海洋国家、日本へ。

 

・羽ばたけ、世界へ。

 

・世界は広い。宇宙は無限。

 

・小さな閉鎖空間から外に出ると、良い空気が吸える。

 

・所変われば品変わる。

 

・新渡戸は、威張り散らす日本の政治家を半は馬鹿にしていたようです。アインシュタインやキュリー夫人等、世界の歴史に名を残す人達と交流して、世界の中には、立派な人達がもっといると実感したようです(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』308頁参照)。

 

・日本一から世界一へ。

 

・荒波に揉まれ、多様な文化、価値観の中で認められてこそ、本物。

 

2020年10月16日金曜日

新渡戸稲造の至言から(10月16日)

 

1016

「人間が職業に圧伏されてはならない。職業の中にあって職業を脱けるところに、人間としての価値が認められるのだと思う。」(新渡戸稲造『内観外望』)

 

・人間の価値は、職業で決まるものではない。

 

・新渡戸は、「武士道と商人道」というテーマで講演し、武士も商人も一つの職業として専門性を持つが、人間として多分の共通性も存在すると説いた(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』307頁参照)。

 

・どんな職業にも、良い人もいれば悪い人もいる。

 

・‘You don’t need any brain to listento music.’ (Luciano Pavarotti)

 

・‘Only the gentle are ever really strong’ (JamesDean)

・‘I always looked ahead.(Chris Evert)

2020年10月15日木曜日

新渡戸稲造の至言から(10月15日)

 

1015

「『われ自身は何のために学問をするのか』…パンを得んがために学問をするのか、人格を高めるためにやっているのか、あるいは活動のエフィシェンシーの力を得るためであるか、まず俺はどうだという決心が第一である。」(新渡戸稲造『内観外望』)

 

・「太平洋の橋になりたい」というのが新渡戸の目的だった。そして、kドイツでは職業を、英国では人格を、米国では能率性を目的に教育が行われていることを伝えている。日本では、個々人が、自らの学問の目的を見つけるべきだと述べている(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』306頁参照)。

 

・目的意識を持って勉学せよ。

 

・自らの目的に向かって学問をする。すると集中して進むことができる。

 

・なぜ学校に通うのか。なぜ読書するのか。なぜ、なぜをつきつけると、自分が見えてくる。

 

・学問自体が目的ではない。学問を通して、社会に貢献することが大切だ。

 

・‘You have to study a great deal to know a little.’(Montesquieu

 

I am one of those who will go on doing till all doings are at an end.(Mozart)

 

・‘Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.’(Mahatma Gandhi

2020年10月14日水曜日

新渡戸稲造の至言から(10月14日)

 

1014

「財産と生命が安固にして夜は戸を閉じなくとも高枕で眠り、他人と説を異にしていても大手を振って往来を闊歩するごときことこそ真の自由というものである。」(新渡戸稲造「デモクラシーの要素」)

 

・民主主義の基本は、自由な社会である。その中で、「真の自由」とは何か。

 

・新渡戸の時代は、鍵をかけなくても安心して眠れ、対立する意見も元気に議論ができたと言う。そういう真の自由があった時こそ、民主主義が発展した社会なのだろう。

・「心の欲する所に従えども矩(のり)を踰()えず」とは、孔子の論語に出てくる言葉であるが、「七十にして」との枕詞が付く。七十歳にして、人々は初めて真の自由を得られるのだろう。

 

・自由とは、自分のしたいことができるとともに、他人のそれをも認めることである。

 

・自由は、1つの権利であるが、それは義務や責任も伴う。

 

・勝手きままな自由はなかなかない。年老いて初めて得られるらしい。

2020年10月13日火曜日

新渡戸稲造の至言から(10月13日)

 

1013

「いかに多忙な人でも、心がけ一つで読書しうることがわかる。読書すれば、しただけのことがあることも分かる。」(新渡戸稲造『読書と人生』)

 

・できないのではない。しないだけである。

 

・読書の醍醐味は、どんな人にもなれ、どんな時代にも行け、どんな所にも行けることだ。

 

・読書好きは、読書好きと話が合う。

 

・読書ほど、人を豊かにするものはない。

 

‘A reader lives a thousand lives before he dies . . . The man who never reads lives only one.’(George R.R. Martin

・‘Reading is essential for those who seek to rise above the ordinary.’(Jim Rohn

2020年10月12日月曜日

新渡戸稲造の至言から(10月12日)

 

1012

「読書というものは、自分に興味があろうがなかろうが、一つの錬磨としても非常に有益なものである。…一日に五分間ずつ…目的は継続するか継続せぬか、そこなんである。」(新渡戸稲造『読書と人生』)

 

・新渡戸は、少しずつでも毎日継続して読書することを提案した。暇な時に何時間も読書して、忙しい時に読書しないというやり方は奨めなかった(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』303頁参照)。

 

・どんな事も、継続は力なり。

 

・読書は毎日5分でも継続した方が良い。それは、音楽の練習と一緒だ。1週間分を1日でやるよりも、こまめに7日間やる方が上達が早く身に付く。

 

・読書は、たとえ興味がなくても有益である。それは、興味の幅を広げてくれるし、知識、思想の宝庫である。

 

・「書物そのものは、君に幸福をもたらすわけではない。ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる。」(ヘルマン・ヘッセ)

 

・「読書で生涯を過ごし、さまざまな本から知恵をくみとった人は、旅行案内書をいく冊も読んで、ある土地に精通した人のようなものである。」(ショーペンハウアー)

 

’The reading of all good books is like a conversation with the finest minds of past centuries.(デカルト)

2020年10月11日日曜日

新渡戸稲造の至言から(10月11日)

 

1011

「読んでいくうちに、…文章がいいなあと思ったところには赤い線を引く、思想がいいなあと思ったところには青い線を引く。」(新渡戸稲造『読書と人生』)

 

・新渡戸の文章力、英語力、考察力等の基礎には、上記のような読書方法があった。天才は努力なりけり。

 

・日本には、赤と青が一緒になった鉛筆がある。それを使った教育によって効果は倍増するのかもしれない。

 

・文章と思想、形式と内容、どちらも大切。作文でも演説でも。

 

Those who do not read are no better off than those who can not read.

 

If you believe everything you read, better not read.

2020年10月10日土曜日

新渡戸稲造の至言から(10月10日)

 

1010

「読書にはある意味において便法はなく、一度は艱難して苦しまなければならぬ。その代わりに艱難したならば、後は自由自在に、日本の本ならば縦に読まずに横に読み、西洋の本ならば横に読まずに縦に読むことが出来るようになる。」(新渡戸稲造『読書と人生』)

 

・読書は簡単ではない。しかし楽しくなるとどんどん読める。

 

・新渡戸稲造は、日本語の本も、洋書も、素早くしかし丁寧に読んだ(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』301頁参照)。

 

’A room without books is like a body without a soul.’ (キケロ)

 

Read not to contradict and confute; nor to believe and take for granted; nor tofind talk and discourse; but to weigh and consider. (フランシス・ベーコン)

 

2020年10月9日金曜日

新渡戸稲造の至言から(10月9日)

 

109

「読書にして人間をこしらえることに貢献しなければ、これはただ漫談家をつくるにすぎまい。」(新渡戸稲造『読書と人生』)

 

・読書は、読んだことをただ語ることにあらず。読書で学んだことを実行してこそ、その価値がある。

 

・読書は趣味にとどめず、人のために使え。

 

・読書は、その仕方によって、人を作り、社会に貢献する。

 

・教育に、良き読書を多々取り入れよ。


・‘A good book is an event in my life.’ (スタンダール)

 

・‘A good book has no ending.’ (R.D. カミング)


2020年10月8日木曜日

新渡戸稲造の至言から(10月8日)

 

108

「何もかも忘れたすえに、しかも自分の言うことは誰からいつ習ったことか分からない、すっかり自分自身のものになりきった、パーソナル・コンヴィクション(個人的確信)になった、それが本当の教育である。」(新渡戸稲造『内観外望』)

 

・新渡戸は、(西洋等から輸入された)新しい理論を鵜呑みにする拙速な教育に批判的だった。物事をしっかり噛み砕き、自分のものにすることこそ真の教育だと述べている(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』299頁参照)。

 

・自分の言葉で語れるようになったことが、本当の知識の習得である。

 

・教育とは、知識や理論をそのまま教えることではなく、よく考え吟味させることである。

 

・自分の身になった知識や理論をもつことは、自分自身の自信になる。

2020年10月7日水曜日

新渡戸稲造の至言から(10月7日)

 

107

「スピード崇拝は、教育の領域でおこなわれるとき、もっとも非難さるべきである。若い心には成長する時間を与えよ。急速の変化が精神の領域で永続することは、わずかしかない。」(新渡戸稲造『編集余録』)

 

・変化はゆっくりと起きるもの。子供の成長を焦るな。

 

・時間をかけた成果は、それだけ長続きする。

 

・「急がず休まず」(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』298頁参照)。

 

・急がばまわれ


・慌てる乞食はもらいが少ない

 

・あわてんぼうのくたびれもうけ

 

・「急がず休ます」カメのように進めば、意外とスムーズに目標に到達できる。

 

・スピード出しすぎは、事故のリスクを高める。

 

・急ぎすぎると周りが見えなくなり、つまづきやすくなる。

 

・ゆっくりじっくり前進する。

2020年10月6日火曜日

新渡戸稲造の至言から(10月6日)

 

106

「平等は人間の幸福に大いに貢献してきた。しかし、その理説を法的関係以外の関係に押し広げることは、社会秩序そのものをすっかりひっくりかえすことになる。」(新渡戸稲造『編集余録』)

 

・平等思想は良いが、それを現実社会に応用することは良くないと新渡戸は主張した。その背景には、マルクス主義への批判があったようだ(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』297頁参照)。

 

・法律上の平等は良い。しかし、実社会では、個性の尊重がより重要だ。

 

・皮肉なことに、[平等社会]と呼ばれる国ほど上下の格差がある。

 

2020年10月5日月曜日

新渡戸稲造の至言から(10月5日)

 

105

「書物として、セオリーとして、どれほど立派であるかしれないマルキシズムも、ライフというものに応用すると、あのような無態(ぶざま)なことになる。」(新渡戸稲造『内観外望』)

 

・新渡戸は、ドイツにも留学している。マルクスの理論を最初に学んだ日本人の一人であろう。新しい理論にすぐに飛びつくのではなく、吟味しながら世の中を俯瞰して新渡戸は判断しているようだ(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』296頁参照)。

 

・マルクス主義を実生活に応用してはならない。

 

・机上の空論

 

・理論で上手く行ったものが、実際に上手く行くとは限らない。

 

・うまい理屈に気を付けよ。

2020年10月4日日曜日

新渡戸稲造の至言から(10月4日)

 

104

「水面低き争いに勝敗を意にかけるなかれ。よし勝つとも誇るに足らず、負けるとも惜しむに及ばず。一生の目的を高きに置いてこれを追えば、途中の障害多きがごとくして多からざるものであると思う。」(新渡戸稲造『人生読本』)

 

・「欲のない正しい説が最後の勝利を得るものだ」(新渡戸稲造)(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』295頁参照)。

 

・勝負をするなら高きを臨め。

 

・愚かな議論より、高尚な議論を。

 

・目的が高ければ高いほど、苦労や障害も多いものだ。だからこそ、やりがいがあり、勝負をかける価値がある。

2020年10月3日土曜日

新渡戸稲造の至言から(10月3日)

 

103

「人間が発明の才に富むこと、悪意を宿したときに勝るときはない。…敵意ある発明を多く生み出すすべての心の中で、政治はもっとも根源的である。党派心は、極悪な工夫や論議を利用する点で、もっとも卑劣でもっとも破廉恥である。」(新渡戸稲造『編集余録』)

 

・上記は、新渡戸による政治の在り方への批判である。現在でも通じる鋭いものである。党利党略に溺れ、国家国民、国益を忘れた政治家は、卑劣であり悪である。

 

・新渡戸稲造は述べた。「『自党への忠誠が国家への忠誠を上まわらねばならぬ…なら、やがてわれわれには奉仕すべき国家もなくなって、ひと握りの私心ばかりの悪漢が』はびこる国になりはてるだろう」(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』294頁参照)。

 

・新渡戸が「悪漢」と呼ぶ議員がなんと多いことか。

 

・議員になるまでは国家のことを思っていたはずの人が、議員になったとたん党派心ばかりの人になってしまった。

 

・議会では、党派の敵味方より、政策、法案の良し悪しを議論すべし。

2020年10月2日金曜日

新渡戸稲造の至言から(10月2日)

 

102

「日本人ははたして平和を好む国民であるか、日本人は戦争を好む国民ではないか…」(新渡戸稲造『人生雑感』)

 

・新渡戸は、日本人が好戦的だという米国社会の雰囲気の中で、あえて、そうでなく平和を好む国民であることを示そうと各地で講演した(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』293頁参照)。新渡戸の行動は、並大抵のことではなかっただろう。

 

・平和を好まない国民などいるだろうか。平和と繁栄は誰もが望むことである。

 

・国民が好戦的でなくても、指導者が好戦的なら戦争は起き得る。ただ、その指導者を選んだり、その指導者に従ったりするのは国民一人ひとりである。

2020年10月1日木曜日

新渡戸稲造の至言から(10月1日)

 

101

「自分の利害に関係する事のために、あるいは怒り、あるいは喜ぶのは、単に自己中心観で少しも感心することがない。しかし国家の問題とか、社会全般のためとかいう事は、自分の利害を離れている。…かかる高尚な怒りは多々益々あって差し支えない。」(新渡戸稲造『世渡りの道』)

 

・自分のために怒るべきではない。怒るなら、他者、社会のために怒れ。

 

・新渡戸は、米国で排日移民法が可決されてから、米国の地を踏むまいと決意した。一方、満州事変以降、日本の孤立を救おうと、米国の理解を得るために再度渡米した(藤井茂・長本裕子著『すべての日本人へ 新渡戸稲造の至言』292頁参照)。新渡戸の愛国心の表れであり、彼は、それを具体的行動で示した。

 

・単なる怒りは害となるが、「高尚な怒り」は利益を生み出す。

 

・大きな声を出すのが怒りとは限らない。沈黙の怒りもある。

岡倉天心『The Book of Tea』を読む会(第4回と補講のお知らせ)

 NipponIA(ニッポン・インターナショナル・アカデミー)では、 新渡戸稲造の『武士道』を原文英語で読む会に続き、 岡倉天心の『茶の本』を原文英語で読む会を開催しています。 ・1月の講座は延期になり、2月に第4回を以下の要領で行います。 ・また、第1回の補講を、ご希望のより開...